日記
著作を通した建築家・吉田五十八との邂逅は三〇歳を少し超えたばかりだった 若かったから臆面もなくこんな風に書き残している 《 吉田五十八氏の『饒舌抄』(新建築社)を読む。徒然草に通じる面白さ。吉田五十八という人はわかってらっしゃる方だ。》『狂書…
払暁までは まだ四〇海里もある 午前二時半 渇きに目が醒め 温泉水の冷たい麦茶をのむ ついでに「ロキソニン」を 痛風の発作回避と炎症軽減に一錠。 なかば意識的に 二〇十一年三月十一日から 時間が止まったように 三百六十五日 毎日酒を飲んでいる 慰藉か…
温かくなったので髪の毛を短くした 間歇的に通う顔そりシャンプー付き千五百円床屋の待合室に『週刊漫画ゴラク』がある こんな時でもないと手にしないのでまとめて数冊読む なかなか愉しいのだが「リバースエッジ 大川端探偵社」がなにやら琴線にふれた チンドン…
温泉で七〇代後半以降の「本格老人」と話していて 本心から驚くことがある 彼らにはテレビドラマと現実の区別がないのだ 。。。。 「歴史ドラマ」「大河ドラマ」「朝ドラ」は それが どのように恣意的に改竄・脚色され ひとびとのナルシシズム/自惚れを満足さ…
ぼくは ほんの子どものころから 筋金入りのペシミストでした 戯画化していえば あの「地獄の門」で キューピーが「考える人」のポーズで足下に地獄を見ているような あるいはデューラー「メランコリア」の羽のある憂鬱な幼児のように 。。。/笑。 でも 去年…
「意識内戦」とは社会的な幻想の分裂した状態 破綻したムラの共同性から切り離され 孤立した情緒と神経における暗い葛藤 要するに回避不能な「綜合意識混濁」の病理をさす造語だ あるいは いまだ見えざる蜂起・内戦の初期段階 無意識層を含んだ大崩壊への前…
《 身の毛もよだつような恐ろしい夜が、一分、また一分と、ゆっくりと時を刻んでいく。真夜中すぎ雨は 上がるが、その代わりに今度は、身を切るような冷たさの激しい風が吹き荒れる。これが濡れた装備のま ま座っていることを不可能にしてしまう。われわれは…
《「もしPならば 、あるいはQである」という文が存在しないという事実は、その言語全体に関しての 、、、 》 チョムスキーの『我々はどのような生き物なのか』の一節にあった この高度で良質なナンセンスのような「存在しない文言」が 妙に気に入ってしまっ…
かつて定義したところによれば 「書籍とは外部にある記憶である」 やや神秘的なニュアンスを持つ定義/aphorismだが 外部とはいっても「記憶」だから「自分にないものは理解できない」を重要な含意とする それは一〇〇〇年を経た古典だろうが 出版されたばか…
前・財務事務次官 香川俊介が八月に58歳で死亡 前・陸上幕僚長 君塚栄治が十二月下旬 63歳で死んだ いうまでもなく財務事務次官とは官僚中の官僚であり 三〇万人の一般職国家公務員 一万五千名キャリア官僚の頂点である 並の大臣は無論 場合によっては総理…
底なしを感じさせるほどの緩やかさで意識と身体どちらともいえない暗渠にひそんだ識閾が 縦横とか斥力や引力あるいは知性とすら関係なくずるっとすべりながら墜ちていく 崩壊の予兆が銀河宇宙の潮騒のように 遠くで鳴っている 鳴りつづけている ピーニャとは…
『反逆の神話 / カウンターカルチャーはいかにして消費文化になったか』 ジョセフ・ヒース+アンドルー・ポター まだ若いとも 老いたとも云えるだろう四〇代のカナダの学究たち 読み始めてすぐ その軽快なアイロニーと瞋恚を糖衣したユーモアに引き込まれた …
2012年3月31日 とつぜん 虐殺的に殲滅閉鎖された「イタリア関心空間」 。。。 「グラッパ/古い瓶の日記」約三年分を掘鑿しました 2003 年 2004年 2005 年 ☆ ☆ ☆ 一〇年余を経た「破壊された幻想の記念碑」としてここに移築します
「メスカリンドライブ」というガールズバンドがあった ズイブン大胆な名前で「村八分」や「裸のラリーズ」 「スピード・グルー&シンキ 」*より グループ名は過激だったかも / 笑。 一九八〇年前後 この国にガールズバンドが花開いた時代 水玉消防団とか少年ナイフ フラ…
《 オンタリオのブロック大学の心理学者であるGordon Hodsonを研究リーダーとするチームの研究によると、知能(IQ)の低い子供は、偏見を持つ大人になる可能性が高いことがわかった。また、知能の低い大人は、社会的に保守的な価値観に引き寄せられる傾向が…
ご紹介しましょう 酒鬼薔薇 聖斗こと「元少年A の公式ホームページ」 スカラカ チャカポコ チャカポコ チャカポコ 《 この地球表面上は、昔々の大昔の、歴史にも伝説にも残っていない以前から、狂人の一大解放治療場になっている 》 犬神博士も 猟奇王も 裸…
ロシア国営ネット『SPUTNIK』は 8月20日づけの英語版などで 《 数千人の犠牲者が既に死亡している 》と報道した (リンクは機械翻訳に懸けてあります) ★ 極めてきわめて興味深いことに この記事は日本語版「スプートニク」には掲載されていません 。。。。★…
放 射 線 極 彩 色 を 殺 し け り 倣 蕉翁 ★★★ 湿度100%の場所も散見する 五月以降列島を覆っている異様な高湿度を単なる濃霧 海霧だと騙されているひとびと 日々フクシマ第一から発生している放射性水蒸気は重量にして一日あたり20万トンに及ぶと見られる…
『水牛のように』2015年8月号に 高橋悠治さんが「ことばを区切る」と題して書いている いまの私たちにとって あまりにも重要なことに触れているので再録したい 以下が全文です 『 ことばを区切る 』 高橋悠治 《 ツイートというかたちは すくない字数で…
ピンクフロイドをリアルタイム/生音で聴いたのは一九七一年の夏 『原子心母』から始まった 小雨模様の箱根アフロディーテ 八月六日 『ユージン、斧に気をつけろ』が二曲目だった (そう記録にはある) ぼくは 頸からNikon-Fを提げ ステージの上 ロジャー・ウォータ…
持つのも重たい 煉瓦ならぬ「赤いブロック」 ブノワ・ペータース 著 原宏之 大森晋輔 訳『デリダ伝』読みおえ なんだか人生が軽くなった /笑。 腑に落ちたと云ってもいい 分厚い本を読みおえる 達成による安堵 という意味ぢゃなく ジャック・デリダという 優…
夜中の郭公 それは世界に対する殺人予告ではない 暗い窓辺で 密かに揺れている 色を喪った極楽鳥 あるいは宙吊りに裏返された埋葬許可証 ダーウィンもマルクスもフロイトも署名しているというのに 誰が死んだのか 誰も気がつかない ビアスによってその名を残…
「打落水狗」 水に落ちた犬は打たねばならない とは 林語堂との論争のなかで 魯迅が述べた言葉らしい 弟 周作人との不和など 魯迅の持つ「必要な狭量さ」は重要なものを含んでいる 寛容に逃げ込む無知と曖昧さ 怯懦による偽善 「ムラ社会」の儒教的迎合への…
消費税だけで八〇〇円もする赤い大冊『デリダ伝』は「68年5月」まで進行している 頻繁に会ったわけではないが お互い気の合った ジュネとデリダの気持ち良い友情に触れただけでも 読んだ甲斐がある 《 パリとフレーヌとのあいだの行き来も困難となったこれ…
「あった! これだ。」 ちょっと昂奮するようなリストを探り当て 彼はご機嫌である “Old Liquor Company” 稀少古酒を中心に扱うオランダの酒屋 そのアイラ島産モルトウイスキーの価格表 ABC順の Ardbeg Bowmore それに続いて 探している Bruichladdichがあっ…
安藤礼二『折口信夫』とともに ブノワ・ペータース『デリダ伝』を読んでいる 同時にジャック・デリダ『哲学への権利 1』も読み始めた イロニーでも何でもなく 世 の 中 が 厭 に な れ ば な る ほ ど 本 は 読 め る 。。。 幸田露伴の「幻」一字のみの書軸…
河原温の遺作とも形見とも見える グッゲンハイム美術館での回顧展図録『 SILENCE 』 横にした厨子のように 胡桃材の珈琲テーブルに載せ 気が向いたときは眺める あれこれ 心に浮かぶよしなしごとを ( たとえば ヨーゼフ・ボイスは一九六四年に 《 マルセル・…
これまで「ラジオイラン」とツールバーに並べて「ロシアの声」をネットで見ていた 一昨日あたり「ロシアの声」が 『SPUTNIK / スプートニク』になった 先頭のタグが「戦争・紛争・対立・外交」 この戦闘的な姿勢を見るだけでも 明らかに『ロシアの声』より …
過疎村にも限界集落にもたとえられそうな この閑散とした空間を なんの予告もなく 突然の「臨死」が 襲った その「困惑と喪失感」を 忘れないために 。。。。
福島県双葉郡広野町大字下浅見川字築地12に四月開校する 福島県立「ふたば未来学園高等学校」は 2011年4月 緊急時避難準備区域に指定された「危険な区域」に少なからぬ文科省予算を投じて建設されている (いま建築中の建物は一時的な「仮設校舎」で 本校舎…