「崩壊感覚 。。。」 …… 生成するエスキースとしての ……
底なしを感じさせるほどの緩やかさで意識と身体どちらともいえない暗渠にひそんだ識閾が
縦横とか斥力や引力あるいは知性とすら関係なくずるっとすべりながら墜ちていく
崩壊の予兆が銀河宇宙の潮騒のように 遠くで鳴っている 鳴りつづけている
ピーニャとはスペイン語でパイナップルのことだ まったく脈絡なくメスカル用語が脳裡にうかぶ
久しぶりに都心で数日間すごした 大声で言うつもりも侮蔑する気もないがTOKYOはすでに狂っている
暇と金をもてあました老人たちも貧しいひとびとも過酷な労働を強いられたひとたちもわかものもご入学系の子どもたちも
自覚あるなしにかかわらず軽度にあるいは重篤に病んでいる
病識はないだろうが佯狂でも誤診でもない
バス停で「犬のようちえん」という送迎用のクルマをみたときはゾッとするべきか嗤うべきか瞬間なやんだ
栗本さんが三〇年以上前に指摘した『都市は発狂する』はまさに正しかった
栗本愼一郎はもっと評価されるべきだ 彼は微量の狂気をホメオパシー療法的に用いる 闘う預言者だ
21世紀の極東巨大都市で発狂しているひとびとは
薄ら寒い奇怪なプライドらしきものを貌に貼りつけ活力に満ちた振りはしているがしあわせそうではない
虚栄にまみれた不安感だけが濃厚にただよう
では田園と呼ばれるムラライフはしあわせかというとどうやらそうでもない
田舎の老人たちはテレビの画面をひたすら信じている それしか信じるものがないから延々と虚構の世界を眺めている
山川草木より液晶の明滅を信じ込む 拝金権威権力主義悉皆不成仏
きわめて安上がりなカントリー「マトリックス」
素朴ながら巧妙狡猾な電通とNHKによる洗脳マインドコントロール
さて
発狂した都市への警告にもどる
都市の崩壊はどこから始まるのか 医療現場からだというひともいれば 乱れ始めた交通網 電子システムだという説もある
現在の東京圏を客観的にみれば三〇〇〇〇万個以上の部品が複雑に組み合わさった有機的「巨大な高速精密機械」だ
膨大な物流の渦が停滞すれば驚くべき「ジャストインタイム」消費システムで動いている東京圏は
たちまちのうちに恐怖驚愕恐慌状態が全域に伝播する 。。。
考え得るあらゆる形態で首都圏三五〇〇万人が 伝説のレミング暴走のようなパニックに陥るだろう
洗脳された欲望願望希望自意識 マインドコントロールから眼を覚ませ
正気を取り返せ
「東京には何でもあるけど 何もない 。」