2002-10-01から1ヶ月間の記事一覧

國立台湾大學網路教學過程中國美術史

齊白石に併せて石濤か金農を紹介するつもりで画像を探していたら 中國美術を概観するのに非常に優れた此のサイトを見付けた。 奥が深い上に 面白いの一語。 ウーン こんな好い 場所を取らずにしかも無料の「入門書」があったら この先日本の美術書出版はどう…

人工水晶体/眼内レンズ

吉行淳之介さんの小説だったか散文だったかに『人工水晶体』という題名の作品があって綺麗なタイトルだなあと思ったことを憶えているがまさか自分でもお世話になるとは夢にも思わなかったのはそれが人生という物だからだろう。

SF6 /(六フッ化硫黄 )

眼球の中にあって容積の大半を占める“硝子体”はゲル状の物質で 他の物質による代替が可能である。だから網膜剥離の手術では硝子体を抜き 代わりに一旦【SF6】六フッ化硫黄ガスを充填する。このガスの浮力を応用して 剥がれかけた網膜を 再び元の位置に押しつ…

Isamu Noguchi / “ 汲めよ一碗の茶 ”

汲めよ 一碗の茶を 呑めよ 一掬の宇宙を また 逢うことも あるだろう 光となって ・ 一瞬の 光閃 即ち 石よ。 朝光伴鳥即興頌歌。 1953年に大下正男の美術出版社から出た『NOGUCHI』という本がある。 序文/瀧口修造 レイアウト/亀倉雄策 写真/土門拳 他。 印…

CONSTANTIN BRANCUSI

小声で呟いてみるといい ブランクーシ と。 いい響きだ。 コンスタンチン・ブランクーシは ボクにとって 彫刻家であると同時に 卓越した写真家であり イサム・野口の師であり マルセル・デュシャンの友であり エリック・サティの数少ない友人のひとりである…

Raoul Dufy/“海と樂隊”

他の人の意見は識らないけれど デュフィとドビュッシーはとても良く似ている。 一言で云えば それは 19世紀的 重苦しさ堅苦しさからの逃走。 今世紀 イヤ 20世紀初頭の芸術家は皆そうじゃないかという意見も あるでしょうが この二人は 海や空気やその光に …

蒐書/或いは本という物質の神秘性に関する一考察

《ぼくが本を好きなんじゃない。本がぼくを好きなのだ。》 本を意識的に集めようとする事と 本が自ら集まってくる事の間には無限に近い階梯がある。 しかしその差異を理解し生命の跳躍とでも云うべき 非言語的信仰転回を為した者のみが 書物の仲間として書物…

“ NOLI ME TANGERE ”/ Georges Rouault

まだ大変若く 青臭かった頃 十代のおわり 腕時計を捨てた 左手の空虚さを 何かで 補おうと 銀のBRACELETを誂えた。 プレートの裏側に 刻む 言葉を ギリシャ語の 辞書から 拾った。 訳すと 『我に触るな』。 随分 狷介な言葉を撰んだモノだと 今では 思うが …

“Cahier de G. Braque”/Georges Braque

ジョルジュ・ブラックの鳥は 一つの事件である。 鳥よりも鳥らしく 飛翔するモノ 大空をか 深海をか 彼方の空虚 なのか 虚空を遍歴する 鳥ども 鳥のことを 憶えているかい 鳥の時間が 視えるかい 忘れたろうな 先のことだもの ・ ボクは 昔から ブラックのサ…

都市国家の“馬と騎手”/Marino Marini

イタリア製の靴が どうしてあれほど履き易いかというと〔凡ての路はローマに通ず〕以来の歴史が靴の文化を育み 歩きやすい靴を産んだからだとの説がある。なるほどと想う。 文化は一朝一夕には出来ない。 フェラーリの卓越性にしても 都市国家の歴史と深い関…

“穴と裂線”に依る画布の洗練/Lucio Fontana

フォンタナの『空間概念』シリーズの一枚を視た時の 鮮やかな印象を今でも憶えている まだ十代半ばだった 綺麗に開いた カンバス 上の ・ 線 鋭い裂け目 鮮やかな数本の線 紛れもないアバンギャルド ボクの前衛好きはソノ一枚を起点と しているのかも知れな…

Alberto Giacometti

「あれが矢内原伊作よ」 年上の編集者に連れて行かれた渋谷の酒場で秘密めいて囁かれたのは70年代の初めだった。 かつてジャコメッティのモデルを務めた男が其処にいた。 どうして彫刻家がそれほど夢中になったか ボクは見極めようとしたけれど その風貌は知…

Diego Giacometti

パラパラと眺めている内に何だか欲しくなって買ったのがParisのHERMANNから86年にでたディエゴ・ジャコメッティの作品集だ。 兄アルベルトの絵画にも彫刻にも様々に描かれ作られているディエゴが 独特なブロンズ製の家具を作る作家であるとは その時まで知ら…

尾竹紅吉/富本一枝と『青鞜』その後。

僅か17歳で 青鞜の編集に加わり紅吉を名乗った一枝は早熟で才能あふれる日本画家でもあった。 やがて芸術家同士の結婚。 二人の大正4年から大正15年までの安堵村での暮らしを偲ばせるこんな文章が憲吉の著書『窯辺雑記』中にある。 「なるべく安価にして模様…

『一色一生』天を染め地を織る。志村ふくみ

今から20年前 昭和五七年に求龍堂から出た 志村ふくみさんの最初の文章による著書 『一色一生』は 落ち着きと初々しさを併せ持った 名実ともに美しい本である。 講談社学藝文庫にも入っているが、 こういう美しい文章と深い内容を持つ本は 出来れば当初出版…

《竹林月夜》大和國安堵村と富本憲吉。

東京美術学校図案科在学中の22歳で ウィリアム・モリスの工藝思想や 当時の欧州建築を学ぶために英國留学した富本憲吉は ロンドンで知り合った高村光太郎の紹介で、帰国後バーナード・リーチと知り合い やがて陶芸に手を染めることになる。 28歳で青鞜の女流…

白洲正子

木の霊と書いて「こだま」と読む。 白洲正子という人は生涯 天と地の間に立って 太古からの木霊を聴きつづけたような女性だった。 或いは 全てのことが一つの木霊に過ぎなかったのかも知れない そう考えたくなるほどに この人の一生は 調和的であり 統一性が…

《北京秋天》その他。梅原龍三郎

まさか。 梅原龍三郎の本を一冊も持っていないとは 探してみるまで気が付かなかった。 では僕の 画伯に対する知識は何処から来たのか。 美術館や 図書館や 画廊や 雑誌その他 によって 自ずと醸成されたものらしい。 それほどに 梅原龍三郎という画家は 自然…

黒田辰秋

一昨年、豊田市美術館で開かれた黒田辰秋展の図録を お土産にくれた友人がいて そのお陰で 行けなかった展観を偲んでは 今でも飽きもせず眺めている。 辰秋さんは名前からしてそうなのだが 夏が終わり秋が深まり始めると決まって思い出しては 写真で良いから…

『万暦赤絵』志賀直哉

「ある時、私は梅原龍三郎の家で万暦の花瓶を見せられた。 もちろん、本能寺所蔵の品とは比較にならなかったが、 美しいものに思った。 幾つにも破れたのを漆で修繕してある。 柳宗悦の説では万暦と云えないこともないが、と疑問にしていたそうだ。 梅原自身…

倶利伽羅紋紋/文身/刺青

刺青。入墨 あるいは彫り物、墨、文身、刺文、黥。 変わった言い方では我慢なんて呼ぶ人もいる。 本格全身の手彫りになると数年の痛みと出費への 我慢が必要になるからだ。 それこそが痩せ我慢 男伊達の見せ所。 昇り龍やら観世音菩薩 唐獅子牡丹に花と蝶 倶…