『美の國と民藝』。。さゝやかな歓びと複雑な窮愁
ほとんど興味を持つ人などいないだろう
些事ちゅうの些事です。。/笑。
昭和十二年六月柳宗悦によって出された私版本
『美の國と民藝』を二冊架蔵していた
20頁しかない薄い冊子だから
あまり市場にはでない
この小冊子には和紙刷りと洋紙刷りの二種類あって
ぼくが持っているのはどちらも洋紙刷りのものだ
奥付けの説明を書いておこう
《 特製本 二 百冊 印 行 和紙刷 一冊一圓 郵税共
普及本 四百五十冊印行 洋紙刷三冊一圓 郵税共 》
かなり重症の書痴/書狂にしかわかってもらえないだろうが
ほんとうは長いこと もちろん和紙刷の特製本も欲しかった。。
それが数ヶ月前 ヤフオクに珍しくも特製本が出た
しかも毛筆署名入りである 。。
出品したのは稀覯本にかなり見識のあるピーピーブックスだから
値段付けが素晴らしかった 。。/笑。
このランクの稀書になるとゴクゴク少数のマニアしか興味を持たないから
痛いところを絶妙に突いて 消費税を入れるとなんと五万円になる
ぼくは『美の國と民藝』を普及版とはいえ二冊も持っているのだ
しかもかなり安く買っている。。挟んである納品書によれば
一冊は2012年に神戸の古書店から本体600円 送料80円で購入している
その前2010年に購入したもう一冊は杉並の古書店で3800円だった
ちなみに送料は180円
保存の良い表紙には珍しいことに内務省が押した発行年 検印がある
さて数日前のこと「日本の古本屋」サイトに『美の國と民藝』が
4400円で出されていた。。
「宗悦私版」には奥付けの文字だけ見ても「確定できない」ものがあって
全国の古本屋を泣かせている/笑。
小さな写真だから確信は持てなかったが
透かしのあることなどからどうも和紙特製本のようだ
というわけで日本の古本屋に発注した 。。
洋紙の三冊目でも良いじゃないかという心境だった
今日届いたものを慎重に眺めると やはり和紙製の特製本だった
表紙の『美の國と民藝』文字も並製は黒インクだが 特製は金の箔押し
洋紙製よりはるかに軽く 本自体の厚みもやや薄い
さあ さらに柳宗悦の毛筆署名された『美の國と民藝』を
あと五万円出して買うのかどうか
さらにややこしいことに
未架蔵だった30万円もする高価な柳宗悦の稀覯私版本が
これまでより本の少し安く出ている
欲しい ほんとうに欲しい/笑。
幾つになっても病気が治らない
書痴であり柳エンスーの爺さんが悩むのはこれからだ。。/笑。