『美の法門 日本民藝館本』2016年3月刊
二冊が届いた
「柳とリーチの往復英文書簡集」の存在は知っていたが
これまで購入には至らなかった 。。
それが
先日ヤフオクに未見の『美の法門』が出品され
その刊行に驚き
日本民藝館に註文したもの
『美の法門』はもともと
昭和廿四年三月に
協會本五百部
函入り私版本二百六十部が出版された
初刊『美の法門』は両冊を署名入りで架蔵するので
柿渋塗強製和紙で装幀され リーチの英訳も併載された
倍を超える厚さの両面表紙硬背本
最新刊『美の法門』
この21世紀版「日本民藝館本」限定七百部も所蔵したい
要するに
柳の私家版特装限定版蒐集者としては逃すわけにいかないト 。。/ 笑。
おもえば
柳の私版本蒐集を思い立ったのは
一九八〇年
季刊『暮しの創造』13号 「特集 理想の装幀」を見たことで
柳宗悦というヒトの美意識に
あらためて「衝撃」を受けたからだ
只ならぬ繊細さと健全さを併せもつ美意識 。。。
喨々たる名馬のような「無事の美」
柳の著作には十代から親しんでいたし
今は喪われた吹き抜けの大広間
巨大な大谷石の囲炉裏が切ってあり
それが公に灰皿として提供されていた
訪うひともなく 常に無人の空間で
アフリカ・ドゴン族のデイベッドに横たわり
両切りの富士かピースを喫う 。。。
鷹揚で暢気だった時代 に 過ごした若い日
その精神の生地に
天啓のごとく宗悦私版本の美が染み込んだ
それから幾星霜
さまざまな善本の存在がなければ 無事生きてこれたか
自信がない
とりわけ
ぼくはバランスを喪っていたかもしれない 。。。
オスカー・ワイルドと芥川龍之介 アンブローズ・ビアスだけでは
危険すぎるもの / 笑。
人生は
闇に包まれた深い峡谷に張られたタイトロープである
フィリップ・マーローの名台詞をもじって云えば
「健全でなければ危なすぎる 繊細でなければ生きる悦びがない。」
さて
厭離穢土に徹して
玩物喪志を逆説的に追究する
趣味嗜好だけに本旨を見る隱遁者 瘋癲古老として
メスカルやシングルモルトの探索も続けつ
「新しい遊び」を見つけた
ビオディナミの背景にはルドルフ・シュタイナーが存在した
さて
これには説明が必要だろう
ぼくは印刷された書籍同様
ボトルにもフェティッシュがある
印刷された美しいラベルと形の優れた瓶
濃淡の琥珀色や透明な液体に満たされたガラス瓶
先々月
エルヴェ・ジェスタンの名前とともに強く惹かれるボトルに遭遇した
シャンパーニュであった
2009年の『Winart』48号を取り寄せ研究開始
そこで「ビオディナミ」がシュタイナーの影響を受けたことを知る
あとは一直線
研究と研鑽の日々(嘘大袈裟紛らわしい/笑。)
元ワイン商のウイスキー生産者 ミシェル・クーヴルーの創見
熟成樽の重視と古代種大麦の再活用など
それらがバタフライ効果となって
ジム・マッキュワン時代のブルイックラディを経て
いまや全面的に開花した趣もある
ウイスキーに対する樽の影響力
さらには土地の重要性
「テロワール」
高山野生種アガヴェによるメスカルから
バイオダイナミクス
自然への回帰
少なくともぼくの中では惑星が直列した ⭐︎
「泡物」に執着するかどうかはまだ定かではないが
迂遠にも その取っ掛かりとして
小布施ワイナリー/ドメーヌソガが作る日本酒!!
「ル・サケエロティック」
6号酵母/ヌメロシスを1500ml 二本入手
飲んでいたが
昨日念願の
ヌメロ アン ドウ トロワ キャトル
四本を入手
あとサンクがくれば初期協会酵母六種が揃う
遊べ遊べあそべ
舞え舞え蝸牛
遊びをせんとや生れけむ 戯れせんとや生れけん
こんな濁世 悪党どもにくれてやる / 笑。
讀書と温泉浴と獨酌
仙界に生きよう
佛は常にいませども 現ならぬぞあわれなる
人の音せぬ暁に ほのかに夢に見え給ふ。