人民網 日文版

今や中国は「臨界点」に達しつつある。もう一度革命が必要なほどの矛盾を抱え込んでしまったからだ。

豊かな沿岸部と極貧の内陸部、農民と都市資本家、「盲流」と呼ばれ屈辱的な地位に甘んじなければならない出稼ぎ農民、彼らは都市で正規の労働者にすらなれない彷徨える農奴だ。

まるで産業革命以前の英国のような奴隷的重労働。

移動する限り基本的人権すら保証されない9億人の「農民戸籍」。

それはトロツキーに批判されたほど農民的な「中国紅軍」を出自とする人民解放軍の中に軍事クーデターを起こす動きがあっても不思議ではないほどだ。

「疲弊する農村」という意味ではは五一五や二二六当時の日本に酷似している。人民解放軍青年将校や真摯な兵は何を思い、何を考えているだろう、、、

昨夜のNHKスペシャル「中国 豊かさへの模索」をみて僕は現在の中国共産党胡錦濤政権に怒りすら覚えた。一人っ子政策も高額な反則金さえ払えば平気で何人も子をつくり欧米に留学させる富裕層、自分の食べるものを減らしてでも子供を「農民」以外の職に就けたいと願う農村の、あるいは出稼ぎに出た貧しい親たち、、、

「中国政府に向かうべき大衆の怒りが意図的政策的に日本に向けられている」という‘右派’の考えには間違ってはいない部分も含まれている。

20~30年前の素朴とも云える「日中友好」の時代とはまったく違う段階に入る覚悟が必要かもしれない。日本人の外交感覚が験されるのはこれからだ。

日中戦争だけは避けねばならない」それくらい時代は急変している。

「人民網」を読むのは中国研究の基本。

中国政府も都合の悪いことは隠す。それを承知で読めばやがて何かが見えてくる筈だ。