ぼくも 本を好きかもしれない  でも 本が もっとぼくを好きなんだ 。。。 / 笑。

 

 河井寛次郎 畢生の箴言 

     《 物 買って来る 自分 買って来る 》

         あるいは

           『美味礼賛』全体に 通奏低音として流れる

               サヴァランの警句

《 どんなものを食べているか言ってみたまえ。 君がどんな人間であるかを言いあててみせよう。》    

           ふたつと同じように 

   いや それ以上に 

         持ち歩いた本 熟読した本 書架にある本

           これから買う本 読む本 見詰める本 は 

    意識表層の「あなた」以上に 

精神全体 意識深層まで含めた「あなた自身」の顕現である

     あなたは 書物に 宇宙に見詰められているのだ

 

         少なくとも 悟性と叡智 霊性を認識できる人間ならば

              《(忘れていようと) 本が あなたなのだ 》

                  ☆ 

      『ALL FERRARI ENGINES』に始まった 

   IRMA BOOM 研究が軌道に乗りつつある

出掛けようと表にでると 配達物置き場に 海外からの小荷物

    はて面妖な

いま届く海外註文の物品に心当たりはないが 、、、

   数秒経って気がついた Ellen Gallagher『Orbus Murmur 5 Vols

     あれは

         書籍というより 立体オブジェだ

          それが 

              丁寧に鄭重に 5cm でエアパッキンした梱包を

                 さらに 

                      厳重極まる 大粒エアパッキンが10cm 厚さで保護している

                        これなら

                            生卵でも世界の果てから無事に届くだろう

     ロンドンの現代美術 建築 写真 古書店から到着

     送料込みで40$ほどなのに

              鄭重な仕事ぶりに感銘をうける 

        『チャリング・クロス街84番地』の伝統は いまも健在だ

  少し前には 

            嶋田洋書から

                 『Hella Jongerius Misfit』2010    

         恵文社一乗寺店から

                  『Irma Boom: The Architecture of the Book 2013-1986 』が

     それぞれ届いていた

       私見では 三冊が蒐集の峠である  

        四冊を超えれば 自然に増えていく / 笑。

        それにしても イルマ・ブームの造る本は 紙でできた立体玩具

    魂と精神の乗り物である 書籍を遊ぶ 掌上・卓上の広場 遊技場でもある 。。。

      ブックデザイン 装幀は イルマの登場により 新段階に入っている

                  ☆

  この救いがたい愚かな世界が 腐敗すればするほど ぼくは 本に没入する

          余は 温泉と本に 隠遁する 

           本の宇宙に 亡命する

   こんな濁世など 強欲に爛れ 気の狂った悪党と俗物どもに くれてやる / 笑。 

☆☆ まだ新聞を購読していた時代だから 四〇年ほども前になるだろうか。朝刊の「サンヤツ/三段八割」に

   宗教系の広告があり そこに『神を信じなくてもよい、神に信じられる人になれ。』と書かれていた

   本の内容はともかく その明快で単刀直入な言葉は 一種の啓示として ぼくを射貫いたように思う  

   三流広告で「目から鱗が落ちるように 何かが落ちた」。阿頼耶識から沸いてくる正直な「快哉」だった

 

         いま思えば あれがぼくの「啐啄同時」とでも呼ぶ瞬間だった

                  それは 同時に

     「他力」の発見であり 自力ではなく他力による「神秘道」が顕現する一瞬でもあった