まだ若かった大江健三郎にカート・ヴォネガット・ジュニアを教えたのは、
五歳年上の武満徹だったそうだ。
2001年2月22日 武満徹没後5年の東京オペラシティコンサートホールでの“タケミツメモリアル”の一環として行われた大江健三郎講演『武満徹のエラボレーション』(サイトで読めます)でそう語っている。
講演によると1963年から68年まで二人はごく近所に住んでいた。
(大江氏は28歳~33歳まで、武満徹は33歳から38歳まで)
作曲家は『ノヴェンバーステップス』を作曲し、小説家は『空の怪物アグイー』や『個人的な体験』、『万延元年のフットボール』を書いていた。
日本の“アプレゲール”文化にとっても、とても輝かしい時代。
まだほんの一冊か二冊しかヴォネガット作品が翻訳されていない時代。映画や軽音楽など、上等な娯楽に対する武満徹の慧眼を改めて認めなければならないでしょう。
ノーベル賞作家には50代を過ぎてから幾つかSF的小説があるが、どれも残念ながら面白くない(笑)。
大変遺憾なことに「ケンサンロー君」にはSF感覚だけ欠けていたようです・・・
因みにボクが最初に読んだ日本の現代小説は『万延元年のフットボール』でした。今でも一番好きな大江作品は『個人的な体験』あたりだろうと思います。
・ [↓は2002721記]
1976年にアメリカで出版され
我が国のファンの元には79年に届けられた
このお話はパソコンが急速に普及し
インターネット上に《拡大された家族》が
できつつある今こそ
良く理解できるだろう。
廃墟に立つ《史上最期の米國大統領》に
ハイホー!!
《愛がそれほど重要とは思えない。
では、なにが重要に思えるのか?
運命と真剣に取り組むことである。》
ハイホー。
名手・浅倉久志・訳
早川書房・刊