Minoru Yamasaki / W.T.C.

911アタックによって跡形もなく消滅したWTC

設計/建設に1966-1977をかけ

地上に建っていたのは四半世紀にも満たない

近代建築の歴史に残る薄幸な建物となった。

設計したミノル・ヤマサキは1986年に亡くなったから

あの衝撃的映像を見ていないが

生きて見ていたら

1951年に輝けるモダン建築としてセントルイスのスラム街に建てられながら

犯罪の巣窟と化した為72年に市当局の手で爆破された

出世作の高層住宅〈ブルーイット・アイゴー団地〉を鮮烈に想ったに違いない。

巨大建築とは人類の背負った不幸の異名である。

子供の頃、

本物の神風アタックを米軍側から撮った映像

空しく海に墜落する特攻機 見るたび

ああ、せめて体当たりを成功させてやりたかった。

悔しく無念の思いを噛み締めてきた。

911の《映像・ヴィジョン・イリュージョン》を私は

あの戦で空しく死んでいった総ての

特別攻撃隊・隊員の霊前に供物として捧げることを恥じない。

或いは地上戦で死んでいった兵士達に。

21世紀後半を待たずに

やがてこの日は

第三世界と被抑圧地域の総ての人々にとって

《国際反米行動記念日》として

永久に記憶される日となるだろう。

また、それを

アメリカ占領下の時代に生まれ

今も日本に駐屯する強大な米国軍隊の

監視の下に生きるものとして

強く願う!

日本は決してまだ真の「独立国」ではない。

(一年経った2003年の今も気持ちは変わっていない。)