サギとカラスのあいだに : : 藝術の「脱真実」

   二〇世紀藝術を考えるうえで   

       キーパーソンが四人いる    

オスカー・ワイルド    

アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ        

マルセル・デュシャン 

ウォルト・ディズニー 

   1900年11月30日に

        ワイルドが死に

     1901年12月5日に

         ディズニーが生まれている 

   きわめて重要な概念

 「自然が藝術を模倣する」と述べたのはワイルドであり

 「こころで見なくちゃ ものごとはよく見えない

     かんじんなことは目に見えないんだ」

         キツネの口を借りてそういったのはトニオだった

       これらの言葉は

     藝術の枢要部・神髄を衝いており

   いまなお有効である         

       ワイルドとサン=テックスは宮澤賢治の同類 セイントの一種であり  

    デュシャンとディズニーはマーラ・パピーヤスの係累類縁である     

       ディズニーの重要視を意外に思うかもしれない

         しかし

       彼こそ

    二〇世紀と二一世紀藝術を拝金主義に導いた張本人

       俵のねずみが米食ってちゅう ちゅうちゅうむちゅう

             「ラットのミダス王」

       TPP/TTIPネオリベラリズムの背後にいるのは

     巨大製薬会社と国際種苗企業と並んだ

  超人ゾンビ化したウォルト・ディズニーの会社だ

    すでに五〇年も前に死んだおとこの

       ネズミの画が

         いまだに

           年間10兆円以上を稼いでいる

        仕事のない若者が世界には十億人もいるのに 。。。

    ディズニーが弁護士たちと一緒に編み出した

      力技 陰険な荒事ともいえる

        著作権と厳重な監視システムによる錬金術

          絵をお金にかえる

            現代の黒魔術を開拓しつづける超悪漢組織

               ウォルト・ディズニー・カンパニー

       それは

   ピカソやダリ ミロやシャガールとは桁のちがう算術であり

        ベニスの商人以上の非情ぶり

        アンディ・ウォーホル ロイ・リキテンスタインはじめ

      アメリカン・ポップ・アートは

   ディズニーとデュシャンのハイブリッドである

         とにかく

    彼らの怪しげな活躍で

                         美術市場は「詐欺師」が跋扈する場となった

  ( 興味深いことに日本のヤクザ用語で「陰謀を図ったり」「策略を練る」

     ことを「画を描く」とか 「絵図を描く」といいます、、、)

                       絵描きは錬金術師や贋金造りと重なるような

           古来より怪しげな商売です

          疑うものは 村上隆草間彌生を見よ

         さらに付け加えよう

   ジェフ・ベゾス セルゲイ・ブリン マーク・ザッカーバーグ 

      ジャック・マー 孫正義

          ビル・ゲイツらはウォルト・ディズニーの外孫である

      さらにアメリカを中心にした絵画・作品の大型化

       大銀行のホール壁面展示用に巨大化した

         投機対象としての高額化が

           才能ある地面師ならぬ絵図師たちを吸収する

                最大の理由になった

           ここに

       マネやモネ セザンヌの時代と劃然と断絶した

           新興「アート市場」が成立した

    

         「マネーこそ至高」「マネーだけが真実」

 

       愚かな知的大衆は巨額なマネーとそれにまつわるナラティブを

         拝むために拝金の神殿 美術館へいく

           貧しくも熱心な拝金教徒として

        さて 

         言っておくべきことがある

       宗教と芸術はとてもよく似ている

      偽物がおおく 本物はごく少ない

    それは 

  ほとんどの人間には 真偽の区別がつかないからだ

 

      ゾソタウンの前澤友作は

   日本を代表する現代美術のコレクターであるという

          もう

  現代美術は「高価なゴミ」を収集する新興成金たち

    金銭欲と自己顕示欲のIT亡者に任せよう / 笑。

       いうまでもないが

 冒頭の「二〇世紀藝術  キーパーソンが四人」とは

    もちろん「ぼくにとって」であり

     ワイルドもテグジュペリも「趣味」である

             ここでは悪役を振っておいた

      デュシャン

  きわめて高い見識を示しているので紹介しよう

    「藝術には賞味期限がある」

           がそれだ

    魔術のように手品のように 詐欺のように

          ホントウは

        藝術にも寿命がある

       

   われわれは「高価」「有名」という理由によって

       主として西洋の

     廃物あるいは屍骸を拝まされてきたのではないか

    歴史という名の権威主義/覇権主義に騙されて 。。。

      こころあるものはヘイドン・ホワイトにでも倣って

        抑圧的な詐欺装置・美術館と美術史を

          もういちどでも二度でも 

             考え直す必要がある

 

             いつまでも

           エリー・フォールや

        ヴァザーリを読んでいる場合ではない / 笑。