濱田庄司と濱田門窯のことなど。。

 

今日は「濱田庄司」のものが時間差20分で二点届いた

最初の大きな段ボール箱には角皿が入っていた

ヤフオクの呼称では『鉄絵四方皿』となっている

幅300mm 高さ70mm だから角皿としてはほとんど最大級にちかい

この角形状皿はもう一回り小型のものを濱田の高弟 島岡達三が

得意として良品を多数つくっている

これは大ぶりの尺皿などで濱田が見せた見事な流し掛けを

柿釉を底にその上から 独特な緑釉を施したもので 

この大きく見事な角皿は ぼくの目には逸品に映る

意外な意見に聞こえるかもしれないが濱田庄司の作物は繊細である

偶然をかなり自在に操れる闊達な繊細さというべきかもしれない

私見ではむしろ島岡達三の方が奇妙な大胆さをもっている/笑。

濱田の角皿は箱無しだったからとんでもなく廉価だった。。

共箱があれば今でも骨董商は30万円以上をつけるし

バブル期だったら間違いなく100万円を超えて取引されていた

 

もうひとつの逸品が工政會出版部から昭和八年に出された

濱田庄司陶器集』である 著者は青山二郎となっており

限定三百部の紬で装幀されたきわめて美しい本だ。。

造本設計はもちろん著者の青山二郎だろう

これも箱無しだったから買える値段になっていたが

濱田の署名入りだから本来はとんでもなく高価のはずだ

(装幀に持ちいた紬の製作者は昭和十五年に出されている

 『富本憲吉 河井寛次郎 浜田庄司 作品録』

の表紙布 製作者が外村吉之介であるように この手織り紬も

初期 外村作の可能性もあるが明記されてはいない。。)

  ところで 

もう10年以上前から頻繁に使っている中皿がある

今もメルカリなどで安く手に入る「辻嘉一特選和食器揃 用の美」

濱田門窯「鉄釉独楽筋紋皿」だ 僕に言わせると

これは昭和期のふたりの天才 辻嘉一濱田庄司が組んだ

きわめてよくできた実用食器の傑作だ

最近になり縁あって濱田門窯の深めの中皿(径155mm 高45mm)を

入手した とても使いやすく独酌の相手として気に入っている

世界はますます混迷をふかめ騒音のみ喧しく流されるが

こんな時代だからこそ日々の暮しを大切にして

できる限り「工藝とその道」を愉しく探究したい 。。

 

  それにしても さまざまに立派な人物を見倣うことで

わかい頃から考え描いてきた

「理想のオトナ」にかなり近い人格になったと

   自分では勝手に考えている/笑。