さて
時には地上的なことも考える必要がある
ぼくは
これから起こる
大規模な「出版クライシス」を
怜悧に客観性をもって観察するつもりだ
もう雑誌の売上は四〇数年前の水準に戻っている
1979年以来の「雑高書低」が終わり
これまで低かった書籍の販売額をさらに下回った
これは敗戦後生まれた「占領下の子どもたち」が
書店に足を運ばなくなったことが大きい
例えば 週刊誌を支えてきたのは
彼らと
戦中あるいは戦前に生まれたさらに高齢者でしかない
『ビッグコミック』各誌を見よ
老人を主人公とする高齢コミックスが花盛りだ / 笑。
週刊誌ではないが
『Ku:nel』は売上の急降下に音をあげ
七〇歳をとっくに超えた老婦人
淀川美代子を現場指揮に呼び戻す断末魔ぶり
これも老人雑誌化現象といえる
返本率が雑誌 書籍ともに40% 、、
とはいえ
いまなお足げく本屋に通い
高度な本を手にする「数寄者」もいる
しかし
読書を生涯の習慣とする
コアな読書人は敗戦の年1945年から
無条件降伏からの占領が解除された1952年までの
足掛け八年間に生まれた1800万人の
ごく一部であり
その世代のうち
「およそ1500万人は書店離れをした」
ぼくは実体験
書店 公共図書館 温泉での見聞からそう考えている
「出版クライシス」の
激烈な災厄には「教育産業」の崩壊と
大商業新聞&テレビシステムの完璧な斜陽化とシンクロする
それは
この国の知的インフラ全体の落盤現象とも云えそうな
深刻な事態を招くだろう
新聞は八百長政治とスポーツ芸能専門紙になり
雑誌はほとんど広告のカタマリだ
大衆メディアは
芸能人やスポーツ選手のスキャンダルと
エロとマネー 老人や弱者への様々な恐喝 脅迫記事にあふれる
「下流老人」「貧困女子」「老化ヒッキー」「半グレ老人」、、
スマホしかできない若者たちは
コミック一冊 粗製濫造無内容な新書一冊を読んで
得意気に「読了」などと宣うだろう/笑。
間もなく来るはずの
コンビニが雑誌を置かなくなる日
(返本など手間がかかる割に店の利益は少なく 取次ぎも採算ギリギリ)
物流業界は不足しているドライバー確保のため人件費増
あるいは
ガソリン価格の上昇などで もう配送経費を上げざるをえない
それが出版恐慌の「Xデイ」だ
トーハン出身の鈴木敏文が7&i HLDGS.を追われるように辞めた以上
取次ぎとコンビニの過去形でしかない蜜月関係は「離縁」へと進む
いまや秒読み段階だろう
戦後長きにわたって子どもと大衆を食い物にして
物言わぬ愚民を作ってきた
大手出版社
冷酷に言おう
これらスベテは人災である
官僚や政治家だけのせいにはできない
出版メディア 教育産業全体 新聞業界
そこで仕事をしてきた人間たちの倨傲と知的怠慢が招いた事態だ 。。。
「読売新聞」「朝日新聞」「毎日新聞」「日経新聞」「産経新聞」
これら新聞のどこに知性があるのかっ!!!
腐敗した社畜たちの打算があるだけだ
願わくば
この際
巨大な詐欺&陰謀プロパガンダ集団 電通 博報堂 大広 etc.
この国を属国化し植民地化してきた愚民政策の尖兵
アメリカ支配の代理店「広告屋産業」の撲滅を望んでいる
半世紀以上に及ぶ読書狂 愛書家 書痴であることを自ら任じつつ
新しい社会と時代 後世へ向けた
「建設のための破壊」をもはや否定しない
諸君 賽はすでに投げられている 。。。