またまた「デクロワッサンス」論  本と出版 流通を通して 極私的に考える。

2012年の出生数は103万3000人だった

2005(平成17)年に106万2500人になって以来

ほぼ100万人+の水準で推移している 

だが 

今年か 2014年には 100万人を切るだろう

仮に出生数が 90万になったとすると 

戦後ベビーブーマー時代の三分の一 ということになる

   この国は「縮退/Decroissance」とは別に 

   確実に 縮みつつある 

   縮む 夜郎自大の国 / 笑。

   それは朝三暮四の国民性に ふさわしい 

              因循姑息な 因果応報かもしれない

さて

昨年末 クライン文庫から

人民美術出版社版『斉白石画集』上下二巻 北京2003年刊 がとどいた 

これと

ツムトア『建築を考える』特装版までが

師走下旬 到着分

二〇一三年になり

ARTBOOK Arteria から ボイス ポスター図録『BEUYS PLAKATE』1991 と 

マルチプル型録 第四版 『JOSEPH BEUYS, MULTIPLIZIERTE KUNST』1977

高木書店からは 中村 元『東洋人の思惟方法 第一部 インド人・シナ人の思惟方法』

同じく『東洋人の思惟方法 第二部 日本人・チベット人の思惟方法』

アマゾン.co..jp からは Christiane Hoffmans 編『Beuys Bilder eines Lebens』2009

これが 年の瀬前後に手にした 主要書籍

ところで 

昨年のすえ 熟慮というより あっさりと 

きめたことがある

「暮しをちいさく」の旨趣により

二〇一三年から 新刊の 国内出版図書を 購入しない。 

(画廊 美術館図録 大学出版 非商業出版 私家版は その限りにあらず) 

もちろん公共図書館は これまで以上に有効活用する

ちなみに

中村元先生の『東洋人の思惟方法』は上下二巻とも 初版 第一刷

上巻は 1948年 下巻は 1949年の刊行

白い簡潔な いかにも みすず書房らしい表紙には 「中村 元 著」の下に

ホントウニ ちいさな文字で みずみずしく「東大助教授 文學博士」とある

まだ株式会社になる前の みすず書房 初期出版物のひとつだ

ぼくにとって の

みすず書房は 

時間を転倒しながら『東洋人の思惟方法』と『建築を考える』との

六十四年のあいだに おさまった。。。

      ☆   ☆   ☆

これから日本の出版物は 一〇年を経ずして 半分以下の 規模になるだろう

そして 質もまちがいなく 落ちる

最大の理由は もちろん読書人口の減少である 

底辺がちいさくなれば 重心の位置も頂点も さがる

会員システムを使った集計を通して 大衆のニーズに答え 利潤追求する TSUTAYA

書店ランキングの 一位になったのが2012年だ

筋金入りの読書家をのぞき 

TSUTAYAにも行かない 多数派「高齢大衆」は 本からも雑誌からも 離れる 

(老人メディアとしての新聞とTVだけが マインド・コントロールを続ける)

本と読書を熟知した老獪な昔人は 図書館を巧みに利用する

面白い事実だけ述べよう

高級で上質な本は 売れない 

高踏的で良質な本は 優れた出版社を滅ぼしてきた

例えば 

加納光於の 美しくも高度な作品集をつくった出版社は 例外なく 潰れるか社屋を売った

  筑摩書房  美術出版社  小沢書店 。。。

或いは

中西夏之の 作品集 / 図録は いわゆる出版社から 一冊もでていない

例外として 

筑摩書房の『『大括弧 緩やかにみつめるためにいつまでも佇む、装置』が

あるが 

あれは エセー/美術論集であって 作品集では ない

逆に 

大衆迎合のうえ 長いものには巻かれろを教唆し 公民の低俗誘導を業務内容にして巨大化した 

小学館 集英社 講談社 は

いわゆる「団塊の世代」前後をエネルギー源/主食として 急ピッチで成長してきた

これら 

電通 自民党的 原子力ムラ翼賛 ワシントンCIA追随 三大俗悪出版社も 

老い縮んだ『小学六〇年生』とともに 凋落 老衰するのは

必然であり 確然たる事実だ

賢い小学生なら 三〇分で読めるような新書や マンガ単行本 を 読んで

「読了」などと のたまう 滑稽かつ陳腐な時代だ

出版も この国も

葬式と老人介護とフクイチを除いた あらゆる商売は 縮んでいく

かつて

戦艦大和が三千三百人を乗せて 沖縄に向け 特攻出撃したように

この国は いま

一億二千七百万人を乗せた 巨大な泥の船と化して

狂った指揮官と悪辣な官僚の意のまま

すでに特攻出撃している

   わたしたちに できることは

   「自惚れから 醒める」  それしか ないのだが、、、、