スペインのビルバオに新しいグッゲンハイム・ミュージアムができた時、不思議な感動があった。
チタンで覆われた奇怪な建築。
その後もゲイリーの造る建造物は独特なフォルムを地上に曝し続けた。
現在ではその独特なインパクトが何に因るものか判っている。
彼は例えば紙をねじ曲げる、
そのときできた形をそのまま200倍にして、図面を作る。
かなり変わった技法だ。
だから彼の建築は模型の一種なのだ。
オリジナルはその小さなねじ曲がられた紙だ。
マルセル・デュシャンを惟わせる。
あるいは雲形定規を拡大させたもう一人のフランク
画家・彫刻家フランク・ステラを。
世界はリンケージしている。