彌生三月(冬枯れの)雑木林に降り積む湿雪を眺めつ 。。
とても久しぶりだけど書くのはやはり本のことです
先日 光村図書『福田平八郎 作品と素描』全二巻が届いた
1982年に95,000円で出た文字通りの圧巻圧冊が
輸送箱も付いたミント状態で6,000円を少し超える程度
消費税も送料も込みで この値段
さすがに注文を控えたが 或る古書肆では
箱と月報つきでも3,000円だった/笑。
小説の神様とまで呼ばれた直哉の全集がわずか三千円である
笑うしかない惨状だが
これが現在の日本の文化程度と国力を如実に現している。。
福田平八郎の画業を寿いで間もなく
DAVID HOCKNEY『The Arrival of Spring Normandy,2020』
まるで突然の奇跡のように届いた
カーテンに護られた東側の低い棚に
いわゆるファクシミリドローイングス
スペイン語版の
『DAVID HOCKNEY FAX DIBUJOS』1991年と並べた
ところで調べると初期コロナ下で描かれた
『2020 ノルマンディ春の訪れ』を注文したのは
昨年7月である
様々な理由からアマゾンは「発送遅延」が日常化している
プーチン戦争によりコンテナ事情はさらに悪化して
食糧も含め やがて「届かなくなる」だろう
が
遅延している幾冊かのなかで
もっとも困惑しているのはJIM DINE の限定50部本
署名リトグラフ付き『Jim , As I know Him』である
450€の高価な本で一年以上も前に支払っているが
アマゾンはその後 経過を報告しなくなってしまった
・
ところで
こんなコメントを昨年六月「某ネゲリ 」に書いている
《 レイドバック! あの Allman Brothers Band 始め Macon Georgiaや
サザン/スワンプ音楽を 象徴する言葉「Laid-back」を覚えているだろうか 。。
あの頃から半世紀を経て現代ニホン では音楽用語としての遣われ方は
少し変化したようだが もともとは背中を大地に預けて のんびりと
「寛いだ感覚」を指す「アメリカ南部方言」だったと理解してきた 。。
面白いことに いま中国の若者たちに「躺平主義」というカナリ柔軟な
思想傾向が注目され 始めているという 寝そべり主義とも訳される
「躺平/タンピン」とはノンビリを意味する 》
その『寝そべり主義者宣言 日本語版』が
来るべき地下出版/地下流通本番の「演習」を兼ね
高円寺「素人の乱5号店店主」などを主宰する
きわめて多彩で行動的な人物 松本哉さんによって刊行された
始めは100部から始まったシルクスクリーン表紙の手製本が
松本さんと仲間の努力もあって200 300 500と徐々に部数を伸ばし
発行総部数1000部に近づいた現段階で
体力的に負荷の大きい手刷りシルクスクリーンの表紙は
機械印刷に変更したとのこと 当然です/笑。
ところで日本語版が松本氏によって発行されると知った
ときから表紙に孔版印刷を使ったいかにも「地下出版物」らしい
この冊子を 是非とも入手したいと考えていた
念ずれば現ず おかげさまでぼくが持つ二冊は
高知県うずまき舎から入手した
二〇二二年一月十六日発行の初期ロット
最初に印刷された百冊の一部であります(書痴は子供っぽい/笑。)
『栄養分析表』と『球根栽培法』の現物を手にしたことがあるけど
『寝そべり主義者宣言 日本語版』は
判型といい頁数といい とてもよく似ていて好感を持った/笑。
地下文書とはまったく逆の方向にあるのだろうが
黒い表紙という共通項もある雑誌『広告』Vol.416
「特集:虚実」を前号前々号同様に興味ぶかく読んだ
これは『機関精神史』などにも
共通することだが
良寛の云うところの「料理人の料理」
狎れ磨れた専門家の「料理芝居」では
もうやっていけない事実を示しているのではないか 。。。
とか云いつつ 逆に
『陶説』823号 「酒のうつわ ぐい呑、盃、徳利、酒注」
を買った なぜ買ったかというと
ある若い古本屋さんのブログで知って
まだ30代らしい趣味人の言葉を信じた。。
まったくの偶然だが これも黒い表紙だった/笑。
などと云いつつ
古金彩バカラが欲しいとか
この秋には顕在化するはずの
「世界飢饉/飢餓」を
無視して 敢えてウルトラ莫迦を言ってみる/笑。
それほどに もうこの世は不可避・不可逆的に
「廃頽 疲弊 腐敗した」
もう
できる限り 思い残すことなく
好きに生きましょう