王澍 / Wang Shu  備忘録としての購書記録 その他。。

王澍『家をつくる』みすず書房 読み終える。。誰にでも簡単に楽しく読める類の本ではない 現代中国と現代美術に一定の素養があり 都市と建築の巨大化や高層化と Gentrification 等に 継続した関心をもち さらに老荘思想を含む中国5000年の歴史と「脳内園林」を愉快に遊べて 「文革」の本質を肯定的に捉える柔軟で強靭な精神がないと刺戟的に愉しくは読めない/笑。 老荘文人趣味への嗜好/没我がないと読んでいて愉しくないだろうし現代思想と現代建築への 「愛」がないと晦渋です RolandBarthesはともかくRem Koolhaas Peter Zumthor Zaha Hadid 知らないと読んで面白くないかも/笑。現代の邦文でこれほど読み手を択ぶ本は珍しい気がする 逆に王澍が用いる「営造」技法のひとつ「版築」がピーターズントーのクラウス野外礼拝堂と 共通する技術であることに気づくと 美しい惑星直列を見たような気がしてとても嬉しい/笑。 老子荘子を別にしても魯迅 毛沢東 周恩来 ぼくは古い中国人のものしか読んでこなかったから 1963年新疆ウイグル自治区ウルムチに生まれた 王澍の強い言葉と意志は感動的ですらある。。 人類の近未来を占う意味でも中国現代人が描こうとする未来像に暫く随伴してみたいと思う 付随して東洋文庫の『周作人読書雑記』1〜5もまだ読んでないことに気づき反省した/笑。 Amazonから次々と本が届く 。。『Kurt Vonnegut Drawings』2014 続いてWolfgang Tillmans 『Saturated Light』2021 白く厚く美しい装幀 ティルマンスはそろそろ蒐書を終了しようと 考え始めた 『Neue Welt』Limited edition of 500 numbered and signed copiesを落掌してから 蒐集への欲望が鎮静化した自覚がある 。。

ヴォネガットのhumorとironyで糖衣した「絶望」が 「イラスト」というメディウムで表現された ある種の奇書『Kurt Vonnegut Drawings』は 定価40$がアメリカではプレミアム付きで160$なので先日最後の一冊を4,770円で注文した  それが今日は87,742円である ナンダ コリャ/笑。モノの値段が狂い始めていることは確かだ かつて黄金期の求龍堂からでた會津八一書/歌 杉本健吉絵の重厚な限定本が三冊ヤフオクに あった『やまとくにはら』『春日野』復刻版 『印象』刊行時価格は三冊で12万円も!した それが輸送箱がやや日焼けしているだけの完品でしかも競合者なく1/20の価格で落札できる 現在この国は立派な大型本であればあるほど買手がつかない 余剰空間など全く持たない人が 圧倒的多数(都市は亜細亜で最底辺)だから文化と社会の落魄化が猛烈な勢いで進行している しかもほとんどの人は喰うと生きるに忙しく無自覚放置状態のまま落魄衰亡せざるを得ない 悪政暴政は真のハイカルチャーを殺す あとは愚劣すぎる大衆芸能と歌舞伎や茶道 華道etc. 新興成金相手にHigh/main cultureを自称する「偽の世襲伝統芸能」しか残らないだろう/笑。 秋艸道人に関して思い出すのは日本橋の元骨董商から貰った『村荘雑事』裸本と中公文庫版 『渾齋隨筆』『續渾齋隨筆』しか持たなかったがいつの間にか『観音堂』『丹呉本観音堂』 等が集まり来たり今ではそれなりの「會津朔コレクション」をなしているから不思議/笑。