五月にネット中継で見た
第71回カンヌ国際映画祭における
ジャン=リュック・ゴダールのスマホによる会見邦訳が
『週刊読書人ウェブ』にアップされつつある
翻訳は久保宏樹さん
週刊読書人と久保宏樹氏に感謝します
45分間のインタヴューのごく最初部にある
ことばがきわめて印象的なので引用しておきたい
今年八十八歳になるJLG がたどり着いた境地/地平 。。。
荒涼としながらも澄明である
《 残念ながら、世界には、僅かな知性と多くの哀れみがあるだけです。》
六十八歳のぼくも激しく共振する
この文言の直前に語られたことばもきわめて重要だ
《 私の年齢になると、出来事のなかで興味深く感じるのは、
成されたことだけではなく、成されなかった事でもあるのです。
この二つを持ってして、その二つを読み取る必要があります。
成されたことについてだけの議論がある一方で、
成されなかったことについての議論は非常に僅かです。
そのようにして、危機的な事件に通じることができないのです。》
⭐️
私の年齢になると、出来事の中で興味深く感じるのは
《 成されたことだけではなく、成されなかった事でもあるのです。》
Mai / 2018 JLG
このゴダールの「発見」の先駆者としてオーギュスト・ブランキの
『天体による永遠』をふと連想した 。。。
JLGは
「世俗/ film / 貨幣 」という半透明の牢獄に数十年間幽閉されていたのだ
ぼくの中ではブランキとゴダールが何層にも重なっている
ゴダールへのオマージュとして
『天体による永遠』の結びの言葉をごくごく恣意的に捧げよう
《 宇宙は限りなく繰り返され、その場その場で足踏みをしている。
永遠は無限の中で、同じドラマを平然と演じ続けるのである。》