凍れる萃点

はじめに永劫があった

  姿のないものとして 

   質量を持たず

    無生物かつ無主物として   

     量子より小さな萃点

       絶対零度以下の

        凍れる萃点として

        あるともいえない ないともいえない

      永劫のまわりは無であった

     永劫はまったき空無のなか

         永遠の無として    

       永久の虚として

     虚無は永劫 永劫は虚無

    ふたつは不二

      幽玄なるかな 玄妙なるかな      

        不二の揺らぎが

         バタフライ効果となって

           真空中に

            宇宙と呼ばれる大虚無が発生した

             老荘では

            それを玄と呼ぶ  

 

          虚無と永劫と真空

            これら

        「死」を構成する三元素が

            逆に

         生命の産褥 命の褥となった

       無と死こそ生命の源にして原初

         はじめに死あり

   死は「イノチノシトネ」である        

      さて 

   通常にんげんの思考は単線である

    月を指さされると月を見てしまうように

     無と云えば無しか意識できない

      永遠と云うと永遠しか考えられない

        永劫と無を一如とし

          同時に把握する重層的思惟

           複線 複々線で洞察する

          複層思考でしか見えないものがある   

            真理はほとんどがそうだ      

       「思惟」とは言語を半透明化して

          重ねるように

            複数のことを同時に考える技術だ

              ことば 言の葉 異の葉 異の端 異端

                コトバは本質に異端を包蔵する

                  異端思考

             それには脳内麻薬物質の助けがいる

           脳内麻薬を活用しない平板な思考

              では

           「プラトンの洞窟」から脱出できない

         無と永劫を同時に見る

         前方ではなく視界のそと 無限の左右に

            無と永遠の隔絶したアマルガムを同時に把握する

              余白だけでできた余白

                時空のマルジナリア

                  量子的余白

 

                 宇宙とは余白だ

                永劫のなかの余白だ

 

                 無と永劫のあいだ

                宇宙は膨張というより「発生」を続ける

               永劫はひとつではない

             無限かける無限として

              銀河は群生し無限の無限乗に転移する

                無限の無限乗をイメージできますか

                  超光速で増殖するメタ宇宙

                    そこに

            増殖転写する超巨大銀河を思惟することでしか

         無数のアンドロメダ星雲や大銀河を把握することはできない   

                    意識とは

                 正眼 晴眼 青眼 星眼

            膨張する宇宙の波動を捉え乗るサーフィンだ

               コズミック・サーフィンとは  

                  観自在の謂だ

                     畢竟                              「宇宙は外部になぞない」

 

                 不二深遠  外内一如

 

               キミの阿頼耶識は揺らいでいるか 。。