「虚無と月影」。。
絶望と正義は似ている
とてもよく似ている
その空虚さと虚妄性において
まるで双子の詐欺師のようにそっくりだ
どっちも実体はなく
絶望感や正義感のみが存在する
そして
どちらかといえば稚拙で雑駁 子どもっぽい概念だが
ネズミ捕りのような働きをする
単純ゆえに強い拘束力を持つ「罠のような言葉」に
多くの人は一生涯付きまとわれる
逆に
希望こそあらゆる悪徳の継母
俗悪と煩悩の源泉だ
イメージ的に甘く糖衣されているものの
その本質は強欲で悪魔的
希望とは
欲望の狡猾な変名 蠱惑的な偽名にすぎず
願望 欲求 野心 野望の多卵性複生児
願望と野心
希望と欲望を細密に分離できるひとはあまりいないだろう
希望などという言葉に騙されず
まして
絶望などという厨房用語に足を取られないようにする
病気を誘発する「希望」から脱却し
こころを泥濘化する「絶望」を断絶する
バラバラな
正義感だけは人の数だけ 星の数ほどあるだろう
繰り返しておこう
宇宙には「正義」などない
これまでもなかったし
これからもないだろう
脱・希望と絶・絶望は やがて合流するのか
意識存在そのものが 消失点に向かうのか
答えはない
そこには風も吹いていない 。。。。