マリファナ大学生 諸君!! 大麻と合成カンナビノイドについて。

《 カンナビノイド*受容体は「CB-1」受容体と「CB-2」受容体の2つがこれまでに発見されている。ヒトの場合、CB-1受容体は472個のアミノ酸から、CB-2受容体は360個のアミノ酸から構成されており、両者の間には44%のホモロジーがある。

 CB-1受容体は脳のなかでも『記憶の座』として有名な海馬に多く存在しており、神経伝達の抑制的制御に関与していると考えられている。一方、CB-2受容体は脾臓や扁桃腺など、免疫系の臓器や細胞に多く発現しており、炎症反応や免疫応答の調節に何らかの関与をしていると考えられている。

カナビノイド受容体のこれまでの研究結果によると、THCはCB-1受容体に対して部分的に作用することが分かっている。つまり、THCは合成化合物CP-55940やWIN-5512-2のように全面的にCB-1受容体の活性を引き出すことができない。この事実は他の実験においても、THC**が合成カナビノイドの25%〜30%程度の効力しか示さないとして実証されている。》

《 現在『エンドルフィン』という名称で知られる内因性モルヒネが存在するように、脳内には内因性のカナビノイドが存在している。この脳内における自然発生的カナビノイドは「アナンダミド」と呼ばれており、イスラエルのラファエル・メクラムとスコットランドアバディーン大学のロジャー・パートウイーらによって発見された。

アナンダミドはアラキドン酸という脂肪酸の誘導体で、これまでに実験されたうちのヒトを含むすべてのほ乳類の脳内から検出されている。そして、このカナビノイドがさまざまな動物モデルにおいてTHCと同様の薬理学的・行動学的活性をもっていることが判明している。

 アナンダミドと同様の内因性カナビノイドは他にも発見されている。2-アラキドニルグリセロール、通称2-AGと呼ばれる物質がそれで、アナンダミドと同じアラキドン誘導体である。この2-AGもTHCと同様の活性をもち、アナンダミドと非常に似通った効力を持っていることがわかっている。また、アナンダミドの170倍程度の量が脳内に存在すると考えられており、現在ではアナンダミドよりも2-AGの方が重要な内因性カナビノイドであると考えられるようになっている。

 このような内因性カナビノイドの発見は、科学者たちに「カナビノイド系」と呼ばれるまったく新しい研究領域を提示する結果となった。それまでは脳内におけるTHCの作用を薬理学的に研究するだけであったが、内因性カナビノイドの発見にともなって、カナビノイド系独自のコントロール・システム全体に関して生物学的なアプローチが広範に行われるようになったのである。

 内因性カナビノイドはこれら生物学的な研究対象として取り扱われる場合「エンドカナビノイド」という名称で総称されるようになっている。カナビノイドとは元来マリファナからの抽出物に存在する21個の炭素から構成される物質を意味する単語だったが、現在ではカナビノイドの受容体によって認識されるあらゆる化合物に対して使用されている。》

《代表的なエンドカナビノイドであるアナンダミド、2-AGともに不飽和脂肪酸であるアラキドン酸からできているが、その生合成に関してははっきりわかっていないのが実情である。

エンドカナビノイドは脳細胞に貯蔵されているわけではなく、必要に応じて体内で合成されていることがわかっており、神経を興奮させる物質に神経細胞が触れると、脳内のアナンダミドや2-AGの生合成率が高まることがわかっている。これは神経伝達物質ドーパミンの受容体を活性化することによってアナンダミドの放出が高まることによって証明されている。

 2-AGの生合成はアラキドン酸を含む膜物質が加水分解された結果生じると考えられており、アナンダミドはその前駆物質NAPEとして膜脂質に存在している可能性が高いと考えられている。前駆物質NAPEがホスリパーゼDによって加水分解されアナンダミドとして放出されるというシステムである。》

大麻研究会 著『大麻大百科』☆ より

マリファナとはなにか / カナビノイド受容体とは?]

[内因性カナビノイドの発見]および[エンドカナビノイドの生合成に関して]

*「カンナビノイド受容体」は原文のママ。 **「THC」とは同書によれば《 マリファナCBCやCBNなどといったカナビノイドと呼ばれる合計61種類の向精神性有機物質を有している。これらのカナビノイドの含有量や配合バランスもマリファナの作用に少なからず影響を与えていることは間違いない。しかし、実際のところ、その作用のほとんどをもたらしている活性化合物は1種類であり、それが通称THCと呼ばれている『デルタ-9-テトラハイドロカナビノール』なのである。》[マリファナの有効成分]

というわけで。どぞ 合法です/ 笑。

★ 参考