この一語にも世界がリンケージして
いることが顕れている。
私たちの暮らしの根幹は
何処にあるのか。
継続的に読んでいた。
中でも
遅れ馳せに読んだ『ココス島奇譚』は
とても刺激的な本だった。
反国家と国境を越える人たちを考え続けた
緩やかで特異/普遍な思想家の
たどり着いた
ヒト族の多様性への
「感懐」
が随所に見られた。
あれは70年代の終わりだったか
ある酒場で
偶々一緒になった
良行さんは
誰かと
中江丑吉のことを
話していた。
まだ50代の半ばで
丑吉への敬意が
端にも届く
そんな話し方だった。
著作集にも
“若い人に伝えたい”
そんな思いが淡々と漲っている。
彼のおかげで
いい夏だった。