呪術する少年たちTINGUERYとYves Klein

永遠の少年とは、自らの深部に老人を棲まわせている者のことだ。或いは幼児を。

澄んだ眼の老人と聡明な瞳の幼児。

嬰児と老人がとてもよく似ていることに気づいたことはないだろうか。

落ち葉の間から実生の芽が伸びる。

総ては巡っていることの証が此処にもある。

ジャン・ティンゲリーイヴ・クラインも永遠の少年である。

メタマチックは20世紀の誇る呪術自動機械だ。

呪術をマシーン化したところに彼の独創がある。

イヴ・クラインの作品・行為もモダーンの皮をかぶってはいるが真性呪術そのものだ。

彼、クラインの棺に入るパフォーマンスは【わたしは還る】と言う行為であり、その通りになった。

ティンゲリーの美しい(と僕は思う)ミュージアムはネット上にもありメタマチックはそこで永遠に動き続けるだろう。

奏でられ唱われている永遠の白鳥の歌を聴きたいヒトは、ここへ。

20世紀のすべての哀しみを明るく響かせているから。

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