Andre Breton / 42, rue Fontaine

パリ9区 フォンテーヌ街42番地。

1966年に死んだアンドレ・ブルトンが40年間を過ごした住居蒹アトリエ。

超現実主義の大本営

ニホンとフランスのシュルレアリスム事情に少し詳しい人なら 

1958年10月9日に 

瀧口修造東野芳明ブルトン宅を訪れた際 

ルネ・ロランが撮影した魅力的な写真で知っているだろう 

あのアパルトマンの住所だ。

ブルトン没後 

膨大な遺品と資料を管理してきた遺族が 

とうとうこの四月

6400点にわたる遺品をオークションに託した。

あの20世紀を象徴する藝術そのものの魔術的空間が消え

代わりに 箱入り全八冊 280ユーロの

立派なオークションカタログが遺った。

感動するのはこれからだ。

そのカタログの内容がそのまま 

ONLINE CATALOGUE で見る事ができる。

これまでに出版されたどのシュルレアリスム資料より

遙かに貴重な内容と質の高さ、膨大な量を併せ持つ

6400点の遺品。

画期的なサイトだ。

手稿 500点

写真 500点

書籍 3500冊

その他 

様々なオブジェや作品。

今後のシュルレアリスム研究は

これらの膨大な画像的資料抜きでは考えられないだろう。

遺品の中には

1937年の 『みづゑ 臨時増刊 海外超現實主義作品集』

もあったりして 興味は尽きない。

因みにこの 『みづゑ 臨時増刊號』 は

ハンス・ベルメールを日本で初めて紹介し

カバーはマックス・エルンストの作品で飾られている。

編集者 瀧口修造と山中散郎

発行人の 大下正男 三人の署名入りで

落札価格は 2200ユーロ(邦貨にして30万円)だった‥‥

とにかく このサイトの成立は

シュルレアリスム受容と研究に関して史上最大の事件

かもしれない・・・・