『茶事遍路』 陳舜臣・著

帯にはこう書かれている。

「唐の茶聖・陸羽を祖として発達した中国の茶文化。茶で心を鎮め、詩文を草した多くの文人墨客たち。かぎりなく贅沢品となって国を滅ぼした茶、欧米に広まり戦争の引き金となった茶‥‥‥ 」

          ・

やや大きめの活字で ゆったり組まれた 一服の茶のような 「大人」の本。

    茶は南方の嘉木なり

  陸羽の『茶経』の言葉に始まる 此の本だけは

 陳舜臣でなければ 書けなかっただろう。

 少し右肩上がりの 

どこか毛沢東の書を想わせる 

題字を眺めているだけで 

清々した茶の風が 

心の奥を通り抜けていくような気がする・・・

 或いは何処かで見た 

會津八一

『喫茶去』と書かれた扁額を 

思い出さずにはいられない。

          ・

「茶というものは、無事平穏の時代も、非常緊急のときも、さし出がましくない存在であることに変わりがなかった。それこそが茶の魅力ではないかとおもう。」

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