裸足のブルトンがメキシコに幽閉されていたトロツキーと愉しげに語らう写真(1938年)は、僕を今でも嬉しくさせる。
誰に似たのかブルトンは喧嘩ばかりしている。
離反し非難し除名し抗議する。
だがレフ・トロツキーとは喧嘩できなかった。そんな時間がレフにはもう残されていなかった。
1940年8月21日スターリンの命によってソ連内務人民委員部が送った暗殺者ラモン・メルカデルの振り下ろしたフランス製ピッケルSimondによって命を絶たれたからだ。
世界で最も重要な亡命者の
封印列車によるヨーロッパ横断。
クリストによる独逸ライヒスタークの梱包にも似た思念・想念のラッピング。
レフ・トロツキーはもう一人の超現実主義者だ
僕はそう思う。
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1938/恐らくリベラ邸の庭.