“Cahier de G. Braque”/Georges Braque

ジョルジュ・ブラックの鳥は

一つの事件である。

鳥よりも鳥らしく 飛翔するモノ

大空をか 深海をか 

彼方の空虚 なのか

虚空を遍歴する 鳥ども

 

鳥のことを 憶えているかい

鳥の時間が 視えるかい

忘れたろうな 先のことだもの

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ボクは 昔から ブラックのサインが好きだった。

この人の署名は福田平八郎や奥村土牛のように

楚々として品格がある。

絵画に署名がある以上 サインする手の動き 心の動きは 重要だ。

偶々開いた 

彼の『昼と夜/ジョルジュ・ブラックの手帖』にも 

こんな言葉があった。

「楽しみを与え、生命を与えるのは、細部である。」

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「こだまはこだまにこだまする。あらゆるものはこだまする。」 

『昼と夜』藤田博史訳・青土社刊より

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ピカソに飽いたら ブラックを(笑。

強くて 良い趣味 は流石に 仏蘭西人。

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