『一銭五厘の旗』花森安治

この本は

写真はグラビア印刷

文字は活版

つまり2度刷り

外函にいたっては

グラビアの4色刷を

校正機で一枚ずつ

手刷りしている。

何という優雅さ!

戦後に生まれた書籍の中で

僕は最も美しいほんの一つだと思う。

大判のソフトカバーに 

函を付ける

美意識と実用の

この上ない調和。

彼は自分の著書として

これ一冊しか残していない。

昭和四十六年十月十日初版発行。

定価千二百円。