太史硯

子供の頃から文房具は好きだった。

大人になり 

髭に

白いものが交じるようになると

意味なく

文房の道具を手にしたり

眺めるようになった。

机上に小さな硯が置いてある

100mm×60mm 高さ33mm程の大きさしかない。

寂れたようなFleaMarketで

中国人青年から需めた。

太史硯という名はあとで知った。

哀しいような寂しいような虚しいようなとき

飽かずに眺める

墨なんか摺らなくてもいい………。

日々遣うのは、電子硯。