2003-02-01から1ヶ月間の記事一覧

『チャー坊遺稿集 1950ー1994』

「村八分」のチャー坊こと柴田和志の遺稿集が昨年の暮れにひっそりと出た。 それを知ってAmazonでは取り寄せに時間が掛かるようなので 直接 飛鳥新社に注文した。 ・ 電話した翌朝 たまたまエリー・フォールの『古代美術』を読んでいる時に届いた。思ってい…

『茶事遍路』 陳舜臣・著

帯にはこう書かれている。 「唐の茶聖・陸羽を祖として発達した中国の茶文化。茶で心を鎮め、詩文を草した多くの文人墨客たち。かぎりなく贅沢品となって国を滅ぼした茶、欧米に広まり戦争の引き金となった茶‥‥‥ 」 ・ やや大きめの活字で ゆったり組まれた …

『偶然性の問題』 九鬼周造・著

深い意味はない。書架に九鬼周造や西田幾多郎 和辻哲郎 ブルーノ・タウト等が並んでいた。 偶々それら古い本に眼が留まって面白いと思ったまでの事・・・。 昭和十年十二月十五日に第一刷が出ている。 手元のは 昭和四十三年五月十日 第八刷。 今日は 2003年…

『自覺に於ける直觀と反省』 西田幾多郎・著

勿論これは一種の洒落である。 最近になって〈「思索の人」の全貌を開示する,新編集による半世紀ぶりの新版全集〉が出るというので 旧い活版印刷に布張りの昔の岩波書店の単行本を偲んでみた。 改めて手にして何よりも驚くのは 活版の組版の仕方である。 例…

“391”

1917年から1924年まで バルセロナ、ニューヨーク、チューリッヒ、パリで 19冊が出されたピカビア/Francis Picabia編集の 『国際的‘DADA’雑誌』。 リヒャルト・ヒュルゼンベック編著の『ダダ大全』には こんな [予告]が収録されている。 ・ 近刊 / ダダ運動…

“291”

ドイツで写真術を学んだ気鋭の写真家・写真誌編集者 アルフレッド・スティーグリッツによって 1905年紐育五番街に開設された 《世界初の写真専門画廊》。 正式名称は「フォト・セセッション五番街二九一番地」 写真の他 DADAやピカソなどヨーロッパの前衛美…

『緑芽十片』 布目潮風・著

副題を「歴史にみる中国の喫茶文化」という本書の書名は 唐は白居易の詩句 《緑芽十片火前の春》から摂ったと“プロローグ”にある。 本を読むなら 信頼に足る人のものを読むべきだ。 茶書もしかり。 著者は中国唐代史を専門とする1919年生まれの歴史学者。 こ…

裸足の軍医アンドレ・ブルトンは人類を癒したか。

裸足のブルトンがメキシコに幽閉されていたトロツキーと愉しげに語らう写真(1938年)は、僕を今でも嬉しくさせる。 誰に似たのかブルトンは喧嘩ばかりしている。 離反し非難し除名し抗議する。 だがレフ・トロツキーとは喧嘩できなかった。そんな時間がレフ…

JOSEPH BEUYS / MULTIPLES

没後のボイスを最も際立たせているのは《マルチプル》という“考え方/言葉/思想”だ。 それは通常の版画やブロンズ彫刻のような【複数の作品】が存在するという以上の積極的な意味を持つ。 ヨーゼフ・ボイスにとっては “観念・思念・想念”こそが不可視の作品だ…

JOSEPH BEUYS / MULTIPLES

没後のボイスを最も際立たせているのは《マルチプル》という“考え方/言葉/思想”だ。 彼は複数の生を複雑かつ直裁に生きたし これからも生きるだろう・・。 zeige deine Wunde zeige deine Wunde 『汝の 傷を みせよ』 と書かれた二枚の子供用石板。 二台の病…

Jean-Paul GAULTIER/ゴルチェ手拭い

時間は面白い 加齢とともに 段々現実と非現実の境界が淡くなり 閾も低くなる 本当にあった事かどうかも 徐々に、どうでもよくなる。 でも雑多な記憶の堆積の中から ゆらり浮き上がってきたから 想い出を電子的に変換してみる。 随分とむかし ゴルチエという…

鉛筆 / CARAN D'ACHE №311

オフィシャルサイトに 色鉛筆は載ってるけど 普通の鉛筆のことには 全く触れていないから CARAN D'ACHEでは単なる「鉛筆」はもう製造していないのかもしれない・・・・ その消えてしまった黒鉛の鉛筆が シンプルな紙の箱に入って壱ダースある。 愛想の全くな…