『 國 畜 論 』 「絶対愚民」形成システムに関する一考察

 

        ‥‥‥ やがて死ぬ けしきはみえず 蝉の声 ‥‥‥

  おおくの人は凡庸な趣味嗜好をもち こころもとない知性と脆弱な能力のなかに生きる

     それが常民の実像であり 

    何百年あるいは千年単位で続いてきた事象である

         そのことにさしたる疑義はない

        「騙されて生きる」 

     その実態が大きく変化している

   いま 自分で家を建てるひとはいない 

 「官」の法的な妨害を別にしても いるとすれば 超が付く変人か狂人あつかいだ/笑。

    敗戦後 空襲・焦土作戦による絨毯爆撃を受けた東京 横浜 名古屋 大阪など

      焼けた都市では

       ハンドメイドによるバラック建築は当たり前だった

        無条件降伏までは各家庭に防空壕作りを奨励していたのだから 

           焼夷弾に晒されない平和な焼け跡の小屋作りなど むしろ楽しいくらいだ

         芭蕉あるいは鴨長明吉田兼好の「陋居」を想起する

       彼らの小屋も自身や知己の手によって建てられた

      もともと棲家を自分で作ることはさほど珍しいことではなかったのだ

    衣服や履物 寝具や家具も自家製は普通だった

     職業人に造ってもらうのは刀剣類 包丁や鋏 鋤鍬など 鍛冶屋

       陶磁器など大量の火力を必要とする焼き物から始まったか 、、

          食事はごく当たり前に それぞれの属した家族や集団が作った 

            原材料も江戸暮らしなどを例外として 常民は自家栽培 自家製造が基本だった

          ブリコラージュ/器用仕事=百姓仕事/100種の仕事に変わって 

        人々は買うようになった 買う味を覚え 購入に快感を感じる 

 

      商品 売ってるもののほうが気が利いている 。。。

    

        履物 袋物 化粧品 櫛笄 土産物 嗜好品、、、

          裁縫は最後まで家庭にあった

      子どものころは母が縫った寝巻きやパジャマを着て眠り

    一〇代なかばまで 毛糸選びから参加した手編みのセーターを 

       さしてありがたいともおもわず

         着ていた 

     食事は自分たちで調える

       いま朝食と夕食を自分で賄うひとがどれほどいるだろうか

    肉や魚や野菜などを家族の分担で煮たり焼いたり蒸したり揚げたりする

      家庭から 独居ならなおさら調理作業はアウトソーシングされた

        外食 あるいは買ってきた弁当や惣菜を食べる中食という名の半外食

      住にはじまり衣 そして食にいたる「外部依存」

         それらは「奪われた貧乏」とでも呼べそうだ

       貧しさの実態が見えにくい

    誰も指摘しないから言っておきます。。。

  いまの社会では映画やアニメーション コミックスや小説 ゲームなどあらゆる商業資本が「夢」を売りつける

 

    人々は自前では見られない「夢」を商品として買う

      俗悪な大衆芸能とカネまみれのスポーツもまさに集金装置だ

   

        お金をだして夢を買うことを誰も疑問視しない 

          しかし 

    ぼくは外食以上に危険なことではないかと疑っている

      子どもの頃から想像力を喪いオタク化する構造

       もちろん商業的な娯楽は江戸以前からあった

         しかしいまはその量と依存の仕方が圧倒的にちがう 。。。      

    

    暮しの分断 生活の分業化こそ「スーパー奴隷制度」そのものである

      民草・常民の徹底的な隷属ぶりには教育制度が大きく影響している

        明治政府が行った教育改革は兵隊をつくるためのシステムだった

          命令を忠実に守り行進できる人員 すなわち兵士を育てる

        敗戦後は兵士に変わって産業に従事する工員をつくる教育にシフトされた

      工場に定刻には集合し図面や指図 製造工程を理解し 上に逆らわない人材育成

    全国に多数の工業高校や高専ができたのはそのためだった

       グローバリゼーションの結果 日本国内から製造工場の多くが消えたいま

         工員は 敗戦時の兵隊のように不要となった

     いま弁当工場や外食産業で働くひとは自分たちのことを工員だとは思っていない

       ほとんどがパートタイマーや派遣社員

         終身雇用の「社畜」であることからも阻害されるひとびと

       労働者としての誇りも肩書きも奪われた人びとは単なる消費者として生きている

     断言しよう  

  この先 企業はもちろん 国家権力も民草の面倒を見ない

     子ども 老人 失業者 病人やさまざまな障害を抱えたひと、、、あらゆる弱者は国内で棄民されるだろう

        それが今この国で起きていることだ 。。。

    『21世紀の資本』を訳して一般にも知られる山形浩生のような 比較的聡明な人物ですら

          トリクルダウンを信じている

     トリクルダウンなどありえないのが グローバリゼーションなのだ

    いいですか 金持ちの欲しがるものは 基本的に高価なものだ

  何一〇億円もする現代美術 数億円の古いフェラーリ 古いナローポルシェも一億円とか 、、

     つい先日 レノンのものだったギブソンアコースティックギター

       三億円で落札された 。。。

          面白いことに現代の成り上がりビリオネーアたちは

            昔の土民にちかいカーゴカルトの信奉者なのだ

        「外国の高いものが好き」なのだ/笑。 

     間違いなく ジョン・レノンの古いギブソンに三億を支払ったのは イギリス人でもアメリカ人でもない

      中古フェラーリに十億円出すのはイタリア人ではない

        ルシアン・フロイドフランシス・ベーコンの絵画に三十億出すのはイギリス人ではない 。。。

       トリクルダウン幻想がもたらす害悪より

      もっともっと切実な問題がある

        安価な食品や飲料 ファストファッションなどを別にして

     日本の大企業のほとんどは 国内消費に頼らなくてもやっていける態勢をととのえている

  これが何を意味するのか 

    敗戦後の1945年から1952年までの占領下 あしかけ八年間に1800万人が生まれている

      それが巨大なマーケットを形成して

        国内産業を強力に保護する政策(高い関税等)もあって

          日本企業は急成長した

     教科書 学習参考書 学年誌などを基礎に

       各種週刊誌 月刊誌 新書 文庫 単行書により出版は全盛期を迎えた

         乳母車 三輪車 自転車からオートバイ 四輪車 、、、、

          スポーツ用品 運動靴 あらゆる衣料 洗剤 化粧品 腕時計など 

  

            インスタント食品やビール酒ウィスキーなど各種飲料 家電製品  。。。。

       ドメスティックな産業構造を改められなかった出版業と新聞を別にして

           (斜陽産業には教育業界も含まれるだろう)

 

     巨大銀行 商社や建設業を含む大企業は 軽い税制のもと 巨額の自己資金を貯めこみ

   業態変更も含む海外展開をしている

     戦後の経済成長は労働者の賃上げとセットだった

        勤労者とその一家こそ 消費購買活動の中核をなす巨大集団だったから

         ベースアップは購買力の増加・消費拡大=更なる経済成長を意味した

 

            戦後の日本資本主義はそのようにして高度経済成長を果たし 大成功を収めた

         ところが

    もはや大企業は国内消費に頼らずとも やっていける

       賃上げなどする必要がないのだ 

      財閥系大企業と新興企業群はこれまでにはないほど巨額の内部留保をもっている

        さらに東京三菱UFJ銀行など三大メガバンクの実態は

          巧妙に隠されているが すでに外国資本だ

           日本人が働いているにせよ「外資」だ

            トリクルダウンなんてどこの国のオトギバナシですか 。。。

     逃亡奴隷や解放奴隷よりひどい状態で この国の弱者は放置されるだろう

        基本的人権は徹底的に無視むしムシ無視 。。。

          自己責任論が蔓延する

      ニッポン人はなまじ識字率が高いため

    新聞やメディアを簡単に信じ込み 過度に洗脳されやすい

       おまけに教育と学校 政府および選挙制度と民主主義を盲信しているから

         義務教育とそれに接続された巨大なサービス産業たる擬似教育制度こそ諸悪の根源であり

      ひとびとを「絶対愚民」化してきた手段なのだ

     

    現在この国の大学と大学院は 戦争に負けたあとの陸軍幼年学校や海軍兵学校そのもの

     敗戦により兵隊から工員育成へとギアチェンジした日本国政府は

       ほとんどの製造工場の消えたいま 若者を客として教育産業に吸収している 

        これはコロンブスの卵以上に「コペ展」であった

          兵隊も工員も 有給である

            ところが学校教育は自己投資としての自己負担。。。。

               お客さんだ 

             教育消費者として教育機関に通い学費と時間を浪費する

          絶対愚民とその子弟はいまでも高等教育が「出世」の途だと信じ込まされている

         日本の敗戦を信じられなかった狂気の殺人集団

      「ブラジル勝ち組」にも似た 日本社会の崩壊と構造の変化を信じられない

     学校教育および資格試験の無敗を盲信する「学校勝ち組」である

   誰が敗戦したあと 軍人へのプレップスクール/陸軍幼年学校や海軍兵学校に行くか

     詐欺的な教育投資への失敗あるいは被害者

       ニッポン人の愚かさは もはや三世代四世代に及んでいる

         もう学校へ行くな 

  

            勉強が本質的に好きでも得意でもない 凡庸な子供たちが

        商業主義の犠牲になってながながと学校に行かされる

     あるいはずるいから自分の無能を知りながら

   世間に出るのを先延ばしするために大学院へ行きたがる / 笑。

     学生およびヒッキー 無職 派遣が 工場労働者に代わるものとしてある

        新聞を読むな テレビを見るな 

         ゲームをやるな

             ネットもそれほど信じるな  

       

        いま世界も日本も

    とりわけこの国はペリーの黒船艦隊とマッカーサーのバターン号が一緒に来た以上の

              大激変期だ 

           正直にいえば滅亡寸前 

         ある時期までは国民と呼ばれた人びと

       蒼氓とも庶民とも呼ばれた民草の多くは国内に棄民されるだろう

     選挙制度や野党を信じても無駄だ 

  民主主義とは愚民たちに与えた「様式」であり 選挙は「儀式」に過ぎないのだから

    社会党共産党も あらゆる野党は まるでプロレスのヒールとベビーフェイスのような役割分担に過ぎなかった

              与野党はズッとグルだった

           選挙も裁判もみんなインチキだった

         表面上の占領が解除されると同時に「日米合同委員会」が

      高級官僚を用いたステルスかつ徹底した間接支配を始めた

    曇りのない目で敗戦後の七〇年間を振り返れば それはハッキリとわかるはずだ

       マインドコントロールを解いてサバイブしなければ本当に野垂死にます 。。。。

       国畜とは ポスト終身雇用型社畜社会において

           基本的人権すら奪われ 

       「国家から有益な家畜以下の畜生あつかいされる者たち」の謂です

    

                      ★

             馬鹿野郎ッ オリンピックなんか見てる場合かよ !!!