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「朋あり遠方より来たる」   贋の廬山にて

 朝の玉露を載せ まさに翠綠したたる

   冷涼で爽やかな里芋 若葉

     その寂びて健康な風情を

       苫屋の玄関脇に引用したいと

         涼しい一刻

       庭隅から簡素な鉢に植え替える

  

        一仕事おえて軍手と麦わら帽子を脱ぎ 

          気分は 閑居する老田夫子

            あるいは古い中国の隠棲詩人

                と

         「国際郵便です」のご挨拶

      本にしてはおおきな段ボール箱 ふたつ

 ひとつは相応に重く

    もうひとつは大きくても 軽い

重い方は 2011年『Beuys Voice』 判型はさほど大きくないが 頁数が1000頁にちかく

      ぼくの知る限り これは最も厚いボイス本だ

大袈裟に詰め物された軽い箱から出てきたのは 大判薄冊の『ON KAWARA 1967』 

          60年代の作品を扱った77年の Otis Art Institute Gallery 画廊図録

            河原の単独図録としては早期の一冊

               いまとなっては

                  「侘び寂び」とも思える枯れて独特な雰囲気がある

         それにしても

 一〇日も離れて

    シカゴとニューヨーク 別々の古書肆に註文したのに 

       おなじ日にとどいた この二冊

          国際郵便を利用して もっと遠いところ

             幽明 境を異にした 古い友人たちからの「連絡」のようで

                愉快だ 。。。。   

            

                     ☆

                     I MET

    「ブジニ アエタ  カワラ オン」    「イッショダ ボイス」