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『ALL FERRARI ENGINES』 と 柳宗悦の墨蹟 ‥‥‥ 箭霊と光陰 をめぐる 眉雪少年の感懐 。。

  

  2002年に Ferrari S.p.A 公式図書として

    モデナで出版されてから 十二年がたち 稀覯書になっている

         『ALL FERRARI ENGINES』。。

             遠くアリゾナ州フェニックスの自動車専門書肆で

           デッドストック「美本」キャッチとの

 

        嬉しい連絡を 宝塚 Art and Automobile Books から

                  もらったのは

             驚くような 大きな声で

        鶯が鳴き始めた頃 。。。

 入手を依頼したのが 昨年 師走にちかい頃だったから

     半年ほど 待ったことになる

 この数個月が 長いか短いかは  ほとんど年齢による

  若ければ 焦慮に堪えられないほど 永いだろう

      逆に

         眉雪を学ぶものにとっては さほどの時間 ではない

            単簡すぎて面白くないほど / 笑。

  想えば FERRARI ペーパーエンスージアストぶりは『CAR グラフィック』創刊六号にあたる1962年9月号

      《 特集 フェラーリへの招待 》を 手にしてからの

        精神的な宿痾 。。

    『モーターマガジン』『モーターファン』を軽侮して

 地味に『自動車工学』を読んでいた小学生が 十二歳で出逢ったのが

       小林彰太郎による『CARグラフィック』だった

         「ファン」も「マガジン」も 

    趣味が悪くて子供っぽいと 小馬鹿にした小学生 / 笑。

  ところで  

       「トッティ・フルッティ」ならぬ「トッティフェラーリ

      正しい伊語書名は『TUTTI I MOTORI FERRARI

    なぜ

        稀書 稀覯本になっているか

   ブックデザインが IRMA BOOM / イルマ・ボーム(ブームとも)であること

      南方熊楠風にいえば「萃点」 

        クルマ愛とブック愛 エンツォ・ファン と イルマ・ファン

          機械美と書物美の《 萃点 》を占める一冊

   何百種かあるイルマデザインのなかでも 蒐集難度はとくに高そうだ

 而して 

      ぼくにとっての

             魂の内燃機関 あるいはtwice-born への始動装置 

         民藝運動および 柳宗悦への開眼は やや秋を経て

             十五齢 あるいは十六か

  ニッコールクラブの催事で 頸からNIKON SPブラックを提げた土門拳

         柳と民藝運動を話の枕にした

      その数年前に名作『筑豊の子どもたち』

   前年には畢生の大作『古寺巡礼』を美術出版社から出し始めている

       最初の脳梗塞を経ていたとはいえ

           巨匠土門はまだ五〇代なかばであり

             若く 覇気にみちていた 。。。。

      あれから半世紀 数多 流星の群が去り 

          エンゾォ・フェラーリ 土門拳 

       もう一人の講師 中村正也氏も すでに泉下の客となって久しい

    八〇歳を超えて矍鑠としていた小林彰太郎さんも 昨秋なくなった

 まさに 星霜を統べる光陰 視えざるも 箭のごとし

     土門拳に教えられた柳宗悦を嚆矢とする 精神と霊性 神秘哲学への道 

            神秘道 五〇年を言祝ぐがごとく 

      昨年末以来 柳の「物偈/ものうた」「心偈/こころうた」が蒐ってきている

 柳の書は 若い頃から 欲しかったが 

    ウォーホルや ホックニーの版画より さらに高価で 手を出せなかった 

       嬉しくも本当に不可思議な感懐に包まれている

        古人曰く 「念ずれば現ず。」

     最近届いた軸には 二行書 極めてシンプルに こう書かれている

       『 六字 トナ  无字 ナルニ 』    

          ろくじトナ むじナルニ

             これは反語ではない 言葉の斥力を用いた 意味の透明な彫り込み

                柳「神秘道」の後継者ともいえそうな井筒俊彦 「言葉とコトバ」

                   「存在はコトバである」へと共振 通底 化身する

                       南无阿彌陀佛   既に救われている

                   「超意識」そのものへの深い理会と叙説                

               透きとおるほど玄妙な 心偈の極北

        想えば とおくへ 来たものよ 。。。。。

      

                  それまで鬱蒼とした老木の枝か人里離れた静閑な電信柱の上で啼くと考えていた

                  郭公が 啼きながら飛んでいくのを始めて見た。ああ人生は生涯これ勉強 / 笑。

☆☆☆ 『ALL FERRARI ENGINES』のレイアウトは何とも大胆で素晴らしい。黄色と赤を直線的に用いているため

    目に教養のある人なら誰でもイルマと同じオランダ人 リートフェルトの「赤と青の椅子」を連想するだろう

    左から四枚目が表紙 五枚目がレイアウト内容。クリックすると大きくなります。