冬 の 檸 檬

氷雨もようの如月のこと 。

いつものように 雑誌の棚

図書新聞』と『週刊 読書人』立ち読みして

ざわめきすぎる雑誌群ザッと眺めて

二階に上がり 音楽書 美術書 クルマの本など査察 縦覧

 それから

閑かにまどろむ 丸善らしい地階に下がって

建築書 宗教書 思想書

「買える図書館」として 静謐な散策

   ふと 気がつく

思想哲学の回廊にて 発光する 未見の書影 

井筒俊彦 『禅仏教の哲学に向けて』 野平宗弘 訳 》 

ぷねうま舎 一月末の新刊

帯には 「日本の宗教と芸術の最奥へ」から始まる 

「不立文字の核心に、、」「英文遺著 本邦初訳」など

  まったく 見過ごせぬ 捨て置けぬ 刺激的なことば

晩年の日々を 私淑してすごすのに 

ぼくにとって 井筒俊彦ほど適したひとはいない

  もちろん

その前に 柳宗悦 中村元 両先師 あってのこと

帰宅後 その流れから「日本の古本屋」で久しぶりに 井筒俊彦を 検索

 あ あった!!

錯覚ではないかと 我が目をうたがう

《『井筒俊彦文庫目録アラビア語・ペルシア語図書の部、和漢書・洋書の部(稿)の2冊揃 》 

もう何年にも亘る とても優先順位の高い探求書

慶應義塾大学図書館編・刊になる本書は 平尾行藏 氏の資料紹介によれば

印刷部数各300部

  過日 三日月書房より ぶじ落掌

この正月末 石神井書林からの

西脇順三郎ギリシア語漢語の比較研究ノート』献呈署名入

   にならぶ あるいはそれ以上の快挙

  酩酊する温泉の学匠 隠棲する老荘の徒として 

       欣快に堪えない / 笑。

 ☆ 思った以上に大判重量級だった現物を手にして 頷きつつも 愕いたことがある

   それは 奥付のもっとも下段に記されていた「製作 丸善株式会社」の文字である

   そこに ぼくは「神秘という愛の顕現」をみて ひとり快哉を覚ゆ 。。。。