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美と神秘 :・: 修羅ならぬ 工藝道「ひとりの沙門」として 。

「おれはひとりの修羅なのだ」

                  九〇年まえ

  昂然と言い放った宮澤賢治

    二〇代なかば

      二十六歳 か 遅くも二十八歳

    その器宇と魂魄に おもわず快哉を覚ゆ  。。。

         やや老いた ひとりの沙門として

  二〇世紀を襲う 二一世紀前半を ぼくは ひたひたと 生きている 

           娑婆忍土から距離を置き

             市隠 陸沈

            倨傲の 隠遁者として

              ぼくはある

                ☆

隠棲する 秋にも 慶びは 訪れる 

    蒐書に加えたかった協会版『美の法門』署名入を

神保町 田村書店にて落掌

  これは  

さきに「川上澄生兄」宛署名 二六〇部の贈呈私家版を入手していたため

  油断して 遅れていた 

面白いことに 

今「日本の古本屋」では 五〇〇部協会版のほうが品薄傾向

 その翌日には ヤフオク 二点が届く

大冊『創作陶画資料 富本憲吉篇』 Ⅰ巻 Ⅱ巻 Ⅲ巻 美之美 刊  全三冊

   この巨大資料はつい先日まで 存在すら知らなかった

芹澤銈介 色絵肉筆 年賀葉書 昭和三六年

 素晴らしい色彩のこの葉書を書いたとき 芹澤は油の載りきった 六十五歳

 絶頂期といっていい 品格ある 達者さ 巧みさ 。。。

         わずか二日に 珠玉の三点 

              ☆

  記念として

     富本憲吉との あるすれ違いを 記録しておこう。。。

神保町 老舗古本屋の一軒 

 山田書店

階段をあがっていくと 左側に 

額装された富本憲吉 肉筆『竹林月夜』。

眺めていると 絵から風が吹いてきた

  ほんとうに 風を感じた 。。。

    わあ 凄い 

そう 思ったものの 何故か 

   なぜか 買わなかった

けして購えない額ではなかったのに 。。。

Hockney  Jim Dine  Beuys   Cristo  Warhol Tinguery  。。。

現代美術に没頭 それら画集・版画の蒐集にいそがしく

  民藝系とは やや疎遠になっていた

     四半世紀ほどまえの 

いまも忘れられない 甘く酸っぱい思い出 / 笑。

        ・   ・   ・

※ 田中眞澄さんの『ふるほん行脚』『本読みの獣道』の魅力は書店名と価格が書かれている点にもあった

 故人を顕彰する意味を含め 見倣って価格も明記しよう。

 柳宗悦署名入『美の法門』は5000円 それにしても刊行後六〇年を経て少しも衰えない和紙の堅牢さ。

『創作陶画資料 富本憲吉篇』全三冊 5500円 今は見なくなった立派な布箱入り 新刊時定価八万円也。

 芹澤銈介 昭和三六/1961年 年賀葉書 3100円 美しい彩色素描に「賀正」と署名だけなので

 小さな額にいれ「冥土の旅の一里塚」これから老いの旅路の正月飾りに使おうと思っている。