あえて 玩物喪志 或いは 極度にどーでもいい事柄として 。
たとえば この写真 は
コーア・クリントの4118という 二人掛けソファを 横からみた写真 だが
全体が見えなくても
ホントウに 美しいッ と おもう
皮革の色と質感といい 創り出された曲線と 柔らかな色面といい
写真を見ているだけで うっとり する
これを 造っている
デンマークの トップメーカーとして 今でも ちいさく君臨する
優れた家具は 眺めているだけで 気分が良い
わかいとき
ホルガー・クリステンセン さんの工房で造られる
ソファに一目惚れした (デザイン:イルム・ヴィッケルソー )
背中/バックから 肘/アームへと 自然につながる 優雅で簡素 なライン
小振りでしっかりとした たたずまい
輸入していた 湯川美術 / 青山サルンから 皮の実物色見本を与えられて 甘美な苦慮 / 笑。
淡い「タン」にも 惹かれたが
まだまだ 子どもにちかい年齢だったから 渋さに憬れて
皮の色は「タバコブラウン」を撰んだ
三〇年以上も一緒に暮らして 傷だらけになっているけど
シート下の 張力/tension系 を 張り替えてもらって
あと二〇年は 大丈夫
よくできた家具や食器は
なんだか 世界が あまりにも馬鹿馬鹿しく 見えるとき
支えてくれる「精神の道具/jig」でも ある
暮しをちいさく
若いころからの ささやかな 酒器 茶器 花器 食器 を愛で
使い込んだ家具に 手と眼で触れる
いまとなっては
できるかぎり 濁世とは
かかわりたくない
「暮しをちいさく」の 趣意は そこにもある
おもえば
子どものころから 惹かれてきたのは
簡単に いえば
「繊細で健康」な ものだ