祈るように「本」を読む 。

     すべて世ノ中のありにくゝ、

     わが身とすみかとのはかなくあだなるさま、

     又かくのごとし。    

 長明が庵をむすんだ八〇〇年前もそうであったように

 

 この世が棲みよかったためしはない。

 『方丈記』のほか

 『法句経』『自省録』でも

 あるいは『霊操』『パイドン』『徒然草』でも

 枕頭に備え 手許に置き

 いや 常に携えるような 心構えで

 こころが揺らぐ節は 読み 眺め 没頭しよう

 改めて そう思う

 

 そして こういう「時機」にこそ『歎異抄』のいう

  《 善人なほもつて往生をとぐ、いはんや悪人をや。、、、 》

悪人正機」を 信じたい。

 信じ 祈るしかない はずだ

                 獨語 謹識