SWISS ARMY SIGG

クフフフ たった今届いた。カップ付き 古いスイス軍用シグボトル。

僕にはほんの少しだけ蒐集癖がある。どちらかというと安いものを蒐めたがる。歯ブラシを集めたときもあるし、外国の市販燐寸を友人にお土産として頼んだ時期もある。幾つか集まると何か集合的なイマージュと共に、個別のよりハッキリした姿や製造哲学の如きものが浮かぶから愉しい。

SIGGのボトルを蒐集したのは煙草をやめた時だった。

それまでBiCのライターを実用として集めていたのだ。気に入ったタイプの初期BiCを一生分持っていたのだが、思うところあって煙草をやめその情熱を何かほかのものに振り向ける必要があった。

そこで始めたのがSIGGボトルの蒐集だった。

今と違って10年前までのシグはまだ山屋の独占物だった。

置いてある所は登山用具の専門店だけだった。

燃料用と飲料用がまだ未分化だった無塗装アルミの時代のものを探しては買った。

こぢんまりしたコレクションがほぼ出来た頃、最後に結晶塗装を想わせるメタリックのボトルを買った。ヒップフラスコに似た平型の水筒で通常の丸型よりかなり高かったことを憶えている。

それがスイス陸軍の水筒を模して造られた民生用の物であることに今日気が付いた。首から下は殆ど同じフォルムである。

軍用は黒く塗装され民需用より首が細くて長い。蓋は金色アルマイトの棒が貫通したコルク製で上部はアルミ、それに木綿製の紐が付いている。その紐は肩に設けられた頑丈な紐穴を通してピッタリ嵌る外部ケースのような折り畳みハンドル付き無塗装アルミ・カップを止める役割も果たしている。

ささやかなシグ・コレクションに深みが出た/笑。