BRYANT&MAY/女王陛下の安全燐寸
いま日本人は平均すると一人あたり一年間に100本の燐寸を使っている計算になるという(1998年の統計)。30年前の消費量の20分の1だ。
友人たちに世界各国の市販燐寸をお土産に頼んでいた時代があった。それで割と色々なマッチが手元にある。
それぞれの国の経済事情や税制 美意識までも表れていて結構愉しいものだった。
例えば イタリーの燐寸は パッケージデザインといい 特殊な蝋紙を使用した軸といい かなりお洒落な感覚に溢れていても 課税対象らしく日本の トランプや花札と同じく野暮な封緘証紙が附いている。
中国や印度など当時 第三世界と云われた国の物は 箱も経木製で 頭の火薬の量を節約するため 軸木も細い。 ‥‥‥etc.
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本当は「露西亜のAloha」にあわせて「燐寸in the USSR」とかのキーワードにするつもりだったのです(笑)。
処がどこを探してもソ連邦製の燐寸が出てこない。沢山あったはずなのに・・
印度 中国 伊太利 仏蘭西 比律賓 ・・・他の国の物は在るのに・・・
それやこれやで 燐寸関係をネットサーフィンする内に
少なくとも僕にとっては 大変重要な事実に触れた。
[Tops]や[SWAN VESTAS]で知られる 英國の燐寸メイカー “BRYAN&MAY”社が120年の歴史に幕を閉じ 95年にリバプール工場を閉鎖したというのだ。
以来 イギリスでは生産せずスウェーデンマッチ社から供給を受けているという。
ロイヤル・ワラントの附いた あの瀟洒な箱入りのトップス・マッチを作っていたブリティッシュマッチの名門が消えた。
伊丹十三が世界最高のマッチと頌えた 《ベンライン》のマッチも恐らく ブライアント&メイが製造したのだろうに・・・
(友人宅で 伊丹本人から貰ったというベンラインマッチを一本だけ 点けて貰ったことがある とても惜しそうに摺った 笑)
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七つの海を制覇したかつてのグレート・ブリテン 大英帝國は 今や自国でマッチも製造できない三等国に成り下がった・・・
勿論 イギリスが三等国なら 日本は国家の体を成していないと云わざるを得ないのだが・・・
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世界は 本当に変容を始めている
マッチ一本からでも 世界の真実は視えてくるだろう
↓昔の「燐寸箱」の立派なこと。