Hommage a T.S.Eliot [1987] / Sofia Gubaidulina

1931年生まれの現代ロシア人作曲家 ソフィア・グバイドゥーリナが T.S.エリオット生誕100年である1988年の前年に作曲した『頌歌』。

 

(単に“韻を踏む”ためにKW/語彙化したものだから

グバイドゥーリナや演奏しているギドン・クレーメルに触れる情熱も気力も能力もありません(笑)。)

CDにカプリングされている‘Offertorium’を主に聴いてきたがこれを機に考えを改めるかも・・・ 

          ・

「あたしはロシア人では ありません

 リトゥアニア出の立派な ドイツ人です」

 

   “四月は残酷極まる月だ 

    リラの花を死んだ土から生み出し‥‥” 

    に始まる

      『荒地・第一部・埋葬』より 西脇順三郎 訳

  彼女は タタール共和国生まれで リトゥアニア出ではないが

  今は エリオットの詩を 追いかけるように

  ドイツで暮らしている・・・・

 

 合衆国のセントルイスに生まれ その後 ロンドンに住むようになり 国籍も英国に替えた 詩人エリオット。

 画家ホックニーは 逆である。 イギリス・ブラッドフォードに生まれ 60年代から アメリカ西海岸に本拠地を移し 更に活発に活動・・

 『荒地』を添削し詩人エリオットを世に出したと云われる 藝術の“偉大な教師”詩人・思想家エズラ・パウンド。イタリアからのムッソリーニ支持のラジオ放送によって合衆国への反逆罪まで問われ 長期にわたり城塞/獄舎/病院に幽閉された彼にとって国家とは一体なんだっただろう・・・・

          ・

国家はともかく 文学に関して パウンドはこう述べている。

  文学とは意味を充電させた言語である。

 「偉大な文学とはまさに能うかぎり意味を充電させた言語である」

         『詩学入門』より 沢崎順之助 訳