『超越のことば』井筒俊彦

信じられない《「不可視界」の「濃霧」の奥から、

神の声が聞こえてくる。

神の声、神のコトバ。

ヤスパース的な表現を借りるなら、

神が人間に向かって「暗号」を送ってくるのだ。》

20世紀はもっと

精神的に深く豊かな世紀になる筈だった。

我々は足踏みし後退さえした。

科学技術の上に置かれた野蛮。

物質化された獣性。

皆ではなく

独りで

取り返す

事がある。

その為の

羅針盤

海図

として

井筒俊彦の仕事がある。

何度でも読めばいい

何年掛かろうが

読み続ける書物

その様な物として

碩学の仕事は

構想されている。

最も藝術的な學者のひとり

この人の文章は

思索と祷りとが一体になり

透き通っている。

詞の光。

「慈悲あまねく慈悲深き

 アッラーの御名において」

井筒文献のみならずイスラーム文献を

渉猟するのに適したサイト。