随分昔のことになる。ぼくがまだ30歳になるかならないかの頃だ。 表参道の原宿駅寄りだったか同潤会アパートの前あたりだったかはハッキリしないが、 夜遅く少し酔って歩く僕の眼にひとりの若い易者が映った。 碧さの断片をどこかに残したその卜占家はまだ35…
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