『思想』のない夏の街にて 。。

あまりの熱さに

  岩波書店の雑誌『思想』7月号

    「ヴァルター・ベンヤミン」特集

     買う気になっていた 

       ところが 

         丸善にも 置いてナイ

    『世界』は何冊もあったが

      『思想』はナイ 。。

     そんなものサ

        自嘲しながら

      代用の代役のエキストラとして

       パンフ・PR誌コーナーで

       『大江健三郎全小説』刊行記念

          講談社PR誌『本』頂戴する

        「セブンティーン 第二部」とも呼べる

          単行本未収録小説『政治少年死す』

             採録する『第3巻』

              買おうか/と/も考えていたからだ

           それにしても 

            五木寛之とならんで

         朴訥を装いつ自己宣伝の達者な

          ノーベル賞作家大江健三郎も「商売」を優先させる

            それほど本は売れない 。。

           70年代初頭 海賊版コピーで読んだ

               『政治少年死す』

            『大江健三郎全小説 第3巻』だけ

              あの時代の苦く重たいスーヴニールとして

                書架に置くことも考えたが

                 (ない方がスッキリ/笑。)

                  ま 成り行きダナ

             

              帰宅後調べると『思想』7月号         

               アマゾンでは

                 すでにプレミアムが付いている

                   これは

                新刊配本のパイプが劣化し

                  すでに詰まり始めた

                    ことを表している   

                丸善でセール本

              Barry Miles『hippie』2013年第二版 

                    定価20£を900円でget !    

 

                                BOOKS &BOOZE

            だけど

       サケを買ってると愉しい

          正直に言って

         ホンよりずっと愉しい 

      デンマークのサケでも 

        フランス領の小さな島のサケでも

           世界中のサケが

            日本語のホンとさほど変わらぬ値段で

               手に入る

           印刷物フェティッシュ

             ボトルフェチのぼくにとって

               限りなく愉しい

         しかも

           飲めば必ず酔えることが

             固く堅く保障されている

               ふふん / 笑 。。

         腐りきったニッポン国の

           露骨な商業主義を纏った

            この国の

          堕小説や腐エッセイではもう酔えない!!!

      

                    だからかどうか Amazon

           河原温の限定250部新刊  

          On Kawara『Pure Consciousness』買う

             NADiff a/p/a/r/tでは90.000円over

                Amazon でも約60.000

                                                  古書扱いの40.000円で購入

               届くと

             思った通りシール付「完璧新品」

            あまり売れない高額商品が重複在庫すると

               アマゾンは中古品として捌く

 

            もうひとつ

         勝利報告がある

       リアル書店で『ザハ・ハディド全仕事』を手にし

     彼女の家具がかなり面白いことに気づき

       もっと大部で本格的な書籍をと

        『Zaha Hadid Das Gesamtwerk』2004

                                      German Edition 

                                          Amazon 中古部門にてわずか ¥3.000購入 

                                              これもシールされた全き新本

             驚くのはこれからだ

                                     AbeBooks.com では同書が

             4000ドルから8123ドルまで

                 ちなみに

            8123ドルを日本円に換算すると90万5千円!!

              同じ本が3000円で買える

             ポストトゥルースの時代は

                こんなトコでも実証される / 笑。

 

                          しかし

     最近一番嬉しかったのは

       芳虎 幕末の三連浮世絵

         『東京高輪海岸蒸氣車鐡道之全圖』

            (1864/元治元年)

                 が

       思い通りの額装でデスク前壁面を飾ったこと

          初めて買った浮世絵だった

    これを購入した最大の契機は

        山本義隆

    『近代日本一五〇年 科学技術総力戦体制の破綻』

        である

       この新書の帯にはこうあった

          「黒船から福島まで」

 

      ぼくを挟むように

        老荘机 後方壁面には 

      ラウシェンバーグ初期版画『MARK』1964 

        このU.L.A.E.制作の石版画には

      ロケット状に立てられ

          最高速度達成車

     「スピリット・オブ・アメリカ」号の勇姿が

          左側に書き込まれている

        

      蒸気鉄道とジェットエンジン搭載レコードブレーカー

                                     それら残像潜像に挟まれ

 

            ぼくはぼんやりしてる

  

 

     

 

 

 

 

 

 

           

   

           

         

     

 

 

 

 

      

    

残念ながら、世界には、僅かな知性と、、、。

五月にネット中継で見た

  第71回カンヌ国際映画祭における

    ジャン=リュック・ゴダールスマホによる会見邦訳が

      『週刊読書人ウェブ』にアップされつつある

         翻訳は久保宏樹さん

          週刊読書人と久保宏樹氏に感謝します

 

   45分間のインタヴューのごく最初部にある

      ことばがきわめて印象的なので引用しておきたい

 

               今年八十八歳になるJLG がたどり着いた境地/地平 。。。

                          荒涼としながらも澄明である

 

 《 残念ながら、世界には、僅かな知性と多くの哀れみがあるだけです。》

 

                    六十八歳のぼくも激しく共振する

 

  この文言の直前に語られたことばもきわめて重要だ

 

  《 私の年齢になると、出来事のなかで興味深く感じるのは、

   成されたことだけではなく、成されなかった事でもあるのです。

   この二つを持ってして、その二つを読み取る必要があります。

   成されたことについてだけの議論がある一方で、

   成されなかったことについての議論は非常に僅かです。

   そのようにして、危機的な事件に通じることができないのです。》

  

                ⭐️

              私の年齢になると、出来事の中で興味深く感じるのは

 《 成されたことだけではなく、成されなかった事でもあるのです。》

                                            Mai / 2018      JLG

 

    このゴダールの「発見」の先駆者としてオーギュスト・ブランキ

  『天体による永遠』をふと連想した 。。。

 

        JLGは

「世俗/ film / 貨幣 」という半透明の牢獄に数十年間幽閉されていたのだ

 ぼくの中ではブランキとゴダールが何層にも重なっている  

     ゴダールへのオマージュとして

『天体による永遠』の結びの言葉をごくごく恣意的に捧げよう

 

 《 宇宙は限りなく繰り返され、その場その場で足踏みをしている。

   永遠は無限の中で、同じドラマを平然と演じ続けるのである。》

    

 

Mai/68  五月革命から五〇年 。。 古く熱い乱気流として

あらゆる新技術は

  「戦争」によって育まれてきた 。。

    火薬 馬車 戦車 蒸気帆船 潜水艦 無線機 レーダー 航空機

       兵員 傷病兵搬送用車輌 松葉杖 鎮痛剤 

            麻酔薬 覚醒剤

               文庫版の原型 兵隊文庫

             点滴 外科手術 ストレッチャー

           すべての映像技術 繊維技術

         原爆 水爆 ミサイル レールガン 

       コンピュータ インターネット 人工知能  etc.

      これは

     歴史的な事実だ

       が

      ごく最近 

        もうひとつ隠れていたことに

          気づいた

          「広告」である

       戦争と広告があらゆる新技術を活用してきた

         宣伝・プロパガンダという意味では

           大いに接点があって

         戦争もビッグビジネスだとすれば

            ハイファッション ハイエンドブランド

                  および

                芸能スポーツ フェイム

                 あらゆる

             スターシステムを極端に利用した

           宣伝広告こそ 

            いまや

         ポストトゥルース

           醜い醜い主戦場だ

              。。。

       新自由主義ポスト真実が巨大資本により

        野合する

         不可視で 

          不気味な怖ろしさ

           わたしたちは 

            間違いなく

             狂った時代

              それも

        腐敗し続ける狂気の時代を生きている  

          ぼくは

                                      四〇年 

            糸井重里を始め

             「広告屋」たちを社会を汚染する文化戦犯

                悪質な文化犯罪者と規定し

                  蛇蝎より嫌ってきたが

                   いまや

       村上春樹糸井重里を峻別できたはずの

           精神の「分水嶺」               

               魂の識閾が

             見つからなくなった

                だからだろうか

             見城徹坂本龍一の区別もつかない / 笑。 

                下卑た顔つきという点では

                    糸井重里村上龍と同類であり

                  ふたりともとてもよく似ている!!!                           要するに

                     もともとかれらは

                      トンデモなく俗物で

                    単に金や名声が欲しくて

                  大衆にチヤホヤされる

               有名人とかになりたかった だけだった 。。 

 

           いや別にイイんですよ

         それぞれの営業方針で

            人生をおくり

             それなりに他人を押しのけて

               カンダタのごとく必死で

             這いつくばってきたのだろうから

               若者を騙すために

             偉そうにさえしなければ / 笑。

 

                ***

        「現代のもっとも虚無的な詩人の群れ コピーライターたち」

             という透徹したフレーズを

                四〇数年前のN.M.M.誌に書いた

           が広告業界にいた編集者によって削除された 。。。

     

            

 

 

             

 

古着の愉しみ その他 。。。

本格的な夏をまえにして

  ハーフパンツというか半ズボンを

     複数捕捉する

      相変わらずGRAMICCIばかり

         米国製グラミチは

          もう古着でしか手に入らない

            いまさら

              気取ったセレクト屋に行く気もない

               したがって

              ヤフオク!が主戦場 / 笑。

           

            昨年購入した

           100%HEMPグラミチ/半ズボンは大ヒット

                                            たらたらとした昔親父風レトロ感

                 どーでもいいけど

              ズボンやTee 靴・帽子やソックス 

                原則欧米製を好んできた

              特にカジュアル/ワークウェアは

          MADE IN U.S.A.が

               耐久力でも圧倒的!!

           フランス製やカナダ製あるいは英国製に絞るのは

             古本だろうと新刊だろうと

               初版本しか欲しくないのと同じ

                 病気の一種(病識はある)

                   身についてしまった悪習・悪癖 / 笑。

                      ところで 

                  米国製WigWamの綿ニットキャップ

                購入時期を覚えてないほど

                  ながいあいだ愛用したが

                    サスガに擦り切れてる

                    ソックスでいえばサイプレス系

                       グリーンの杢糸織り

                     ググってみたら

                   画像検索でビンゴ

                     まったく同じ物

                    なんと

                  送料込300円 。。。!!

                 楽天系フリマ ラクマ

                初めてだったので まさかマサカ 、、

              詐欺系トラップかしらと訝しんだが 

                   ホントだった

            新品同様が到着!!!

             ウーン  古着は愉しい 。。

            そーいえば

               爺さんだから利用したことはないけど

                どういう意味だか

            「ZOZOTOWN」というのがあって

          代表の前澤友作サンは

            公益財団法人・現代芸術振興財団

          という 税金対策系組織も経営しているらしい

                そこが

         河原温とドン・ジャッドの本『温故知新』出していて

              俗物成金性まるだしの本だけど

        ON KAWARAフリークのぼくは当然持ってる / 笑。

           で何を言いたいのかというと

          ZOZOTOWN の意味

              先日ふと気づいた

          想像と創造

           SOZO SOZO の意味でZOZOにしたトカ

         ウソクサイ由緒を述べているが

          ホントは

        《 春よ来い 早く来い

          あるきはじめた みいちゃんが

          赤い鼻緒の じょじょはいて

          おんもへ出たいと 待っている 》

             ここにある

          草履の幼児語 ジョジョだろう  

              JOJO ではあまりにベタなので

                ZOZO に変換                              童謡『春よ来い』が本当のルーツなんて

               見城徹糸井重里以上に欲望全開

                  (政商よりは「趣味人」だけど)

                    さすがに

                 超厚顔の前澤友作サンでも

                元ロックミュージシャンを自称する以上

               言えないんだろうなぁ 。。。

               でも 

               相馬御風の歌詞から採ったとすれば

                 初歩初心者

              子供ワカモノ相手の巨大洋服通販サイトとして

                 ネーミングの才能 非凡だよ

                     商業的な

                   かなりの言語感覚 才能ですね                                                                      だから

                      これからは

                  正しくジョジョタウンと呼ぼう / 笑。

                      ついでに

                弩派手な超俗物前澤友作のこれから

                  波乱万丈だろう人生を見届けるツモリ 。。

 

 

         

 

      

        

     

 

 

            

              

 

            

  

『RECENT STILL LIFE』&『HOME MADE PRINTS』

今度の苫屋

  玄関ホールが二階への階段室も兼ねているので

    ちょっとした空間がある

      そこにも

   ようやく額が吊れた

      玄関正面にはホックニー 

          『Lemons & Oranges ,May 1986』           

        階段横 李朝薬箪笥上にはジャスパー・ジョーンズ

          『RECENT STILL LIFE』1966

                                裸電球の縦長ポスターだが

              「最近の静物画」という

                 きわめて洒落たタイトル

              神保町の文房堂で擦金の縁

                額装してから もう四〇年

                ずいぶんながい間持ち歩いた

              ホックニーの方はもともと額付

             ロサンゼルスのUF-3という店の額装

            確か

        「ホームメイドプリンツ」は全作品がUF-3で額装して売られた

          ホックニーと額縁のインティメートな関係を語ると

              長くなるので省略 / 笑。

             

    近況を簡潔に報告すると

   河原温の電報シリーズ

    I AM STILL ALIVE

                      を援用したくなる        

    本がびっしり詰まった

  引越のサカイくん特製段ボール箱

      二階の25個はほぼやっつけたが

        一階リビング中央部には

          三段積みされた約50個が

            圧倒的な存在感で威容を誇っている

 

          さあ今週中には決着させたい 。。。。

          

     

      

  温泉水特急とアインシュタイン

冠雪した庭の樹に

   ひよどりが来て 

     なにかつついてる

    雪があっても彌生三月

      もう春だ

 

     引越は無事おわり

       丸一日の空白だけで

         高速化した無線LANも開通した

              嬉しいほど

            本気ではやい

        

           安心安堵して

        コズミックサーフィン(温泉沐浴)

             を兼ねて

          ミネラルウォーター運搬

         週に三回ほど運ぶ温泉水

          珈琲とあらゆるお茶・炊事炊飯・氷まで

           口にするすべての

            水をまかなってきた

         旧陋屋は

        温泉からママチャリ五分

         (それが最大の魅力だった)

      新苫屋からは

     往路の登りで十五から十七分

      温泉水10リットルタンクをカゴに積んで

       ダウンヒル特急で無事帰宅まで12分

       (三箇所の信号機がオール緑だと10分!)

 

        万事快調 。。

           

          室内には段ボールがまだ山積み

              でも

           ぼつぼつ

              平穏な日々

                取り戻しつつある   

   

           最晩年へ向けて

            ここでの暮しに

              いつも胸の裡に掲げたい

                「ことば」がある 

 

                Stilles  bescheiden  Leben

            そう記されたアインシュタインのメモだ

               直訳すれば

                                                『 静かで謙虚な暮し』

                  だろうか

                    

  

         《     閑かで控えめな暮しは、

         絶え間ない不安に晒された成功の追求よりも

             多くの悦びをもたらす       》

    

                 Albert Einstein

                                                                   November 1922 Tokyo

 

「終焉」を待ちながら 。。  グローバルな悲喜劇として

ここ数ヶ月

    晦冥・奸凶に唾を吐きかけるような

 「過激な本」に打ち込んでいる

ウェンディ・ブラウン

『いかにして民主主義は失われていくのか:新自由主義の見えざる攻撃』

    あたりからだろうか

フランコ・ベラルディ

『大量殺人のダークヒーロー:なぜ若者は銃乱射や自爆テロに走るのか』

ジェームズ・C.スコット

『実践 日々のアナキズム:世界に抗う土着の秩序の作り方』

ノーム・チョムスキー

 『アメリカンドリームの終わり』

デヴィッド・ハーヴェイ

『資本主義の終焉:資本の17の矛盾とグローバル経済の未来』

ヴォルフガング・シュトレーク

『資本主義はどう終わるのか』

  あるいは

アレクセイ・ユルチャク

 『最後のソ連世代:ブレジネフからペレストロイカまで』

 も 「過激」シリーズに含めていいかもしれない

    

      確かに

    チョムスキーやハーヴェイ

           現在

        信頼せざるを得ない高度な人々が

           もはや

        「明るいことば」を述べられない

            つまり

          残念ながら

     イヴァン・イリイチ 

      カート・ヴォネガット

        ミヒャエル・エンデ など

          賢者を超えた存在 

            と同じ地平に辿り着いている

            明晰な聖人たちが予言した「虚無世界」。。

             の完璧なまでの顕現

               ふと

             鶴見俊輔が2007年に予言した

             《 断じて日本は終わる。  

                自分の中の目利きによると 未来はない。》

                 懐かしく想う 。。。                                       

      世界および人類は

         (意図的に無視する愚鈍な悪党以外)

               すでに

          最後の曲がり角を超え

              世界は

           バニシングポイントに近づいている

          

         外的環境の汚染と呼応してすすむ   

            精神の荒廃

          これはもうどうしようもない段階

 

     『資本主義の終焉』から

      デヴィッド・ハーヴェイの言葉を引いておこう

 

《 資本はおそらく永遠に機能しつづけることが可能である。ただし、

 その過程で、斬新的な土壌の悪化や大衆の貧困化が誘発され、社会階級間

 の不平等も劇的に拡大し、また人類の大多数が非人間化されるだろう。

 そしてこのような状態を維持するために、個人の人間的開花の可能性は

 ますます抑圧的かつ専制的に否定されるだろう(別言すれば、全体主義警察国家

 による監視体制や軍事管理社会は強化されるだろうし、われわれが主に現在経験

 しつつあるような全体主義民主主義も激化するだろう。》

   第Ⅲ部 「資本にとって危険な矛盾 はじめに」 より

 

《  私は拙著『資本の〈謎〉』で次のように結論づけた。

 

資本主義はひとりでに崩壊することはない。それは打倒されなければならない。

資本蓄積はけっして停止することはない。それは止めなければならない。

資本家階級はけっしてその権力を自ら進んで放棄したりはしない。

 それは奪い取らなければならない。

 

私は今でもこの意見にこだわっている。

そして他の人々もこれと同じ意見を貫くことが必要不可欠だと思う。》

  第Ⅲ部 第17章 「人間性の疎外と反抗」より

       

 さすがに度々フランツ・ファノンを引用して

  ファノン同様「暴力を認める」と言い切った 

    腰と肝が座ったハーヴェイである  。。